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■「キモくて金のないオッサン」と「日本型福祉社会」

【日本型福祉社会】
 かつて、自民党は「日本型福祉社会」なるものを提唱した。政府が福祉を提供するのではなく、家庭や企業が福祉を提供するわけである。それによって大多数の日本人はそれほど悪くない生活を送れるとし、高齢化に合わせて部分的に手直しをしていけばよいとした。
 今一つつかみづらいだろうから、「日本型福祉社会」の様相を、あるサラリーマンの現役世代に絞って説明してみる。
 サラリーマンA氏は、大学を卒業後、とある企業に入社する。入社した企業は、安定した生活を支えるだけの所得をA氏に保障する。また、給与の他に住宅手当などといった企業内福祉も提供していた。一方、女性は、家庭を支える役割を担い、企業に入社したとしても一定年齢で退職することが期待された。男性に安定した生活給を保障するために、女性の労働は「パート労働」としてとても低い賃金に抑えられてきた。それでも、女性はいずれかの段階で男性と結婚して、男性の生活給を支えに生活するものだからそれでよいとされたのである。労働組合でさえも、男性に生活給をと要求していたくらいである。
 さて、男性は男性であるというだけで生活給を保障され、一方女性はそのような企業福祉にもあずかれない。だからこそ、女性はいずれかの男性と結婚して、男性が保障されている企業福祉の恩恵に間接的にあずかることが合理的な生き方だったのである。これが、かつて(といってもバブルが崩壊する直前まで)の姿であった。
 
【日本型福祉社会からあぶれた「弱者男性」】
 しかし、経済社会の変化は、男性にのみ生活給を保障することを不可能とした。すでに女性労働者はパートとして低賃金で雇われていた。そこで、そのような低賃金労働者を増やそうと考えるのは企業の自然の理である。「一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である」と、ILOフィラデルフィア宣言が言っている通りである。パート労働者が低賃金で働いている中、なぜ男性労働者にだけ生活給を保障する必要があろうか。そこに経済的合理性はなくなったのである。かくして、生活給をもらえなくなった弱者男性が生まれることになる。同時期、男女雇用機会均等法が施行され、確かに高所得を得る女性は増えた。しかしながら、男性稼ぎ手モデルからの脱却はついにならず、生活給からあぶれた男性はいまだに結婚から排除されたわけである。この間、女性だって確かに一部の人間は高所得を得たわけだが、そのような女性にとって、日本型福祉社会における結婚のメリットなど存在しないも同様であった。日本型福祉社会では、男性が稼ぎ手となって女性が家庭内の仕事をこなす、そういうモデルがあった。ところが、女性高所得者にとっては、どうせ男性と結婚したところで家庭内の仕事はすべて任されるわけであるから、結婚するメリットなど何もないのである。かくして女性高所得者は独身生活の道を歩くことになる。
 日本型福祉社会的な男性稼ぎ手モデルは決してなくなったわけではなく、今も根強く残っている。舞田敏彦氏の示したデータによれば、既婚女性の所得は明らかに既婚男性よりも落ちる。である以上、稼ぎ手役割を男性に期待せざるを得ないのは当然のことなのである。
 そして、ここで出てくるのが「キモくて金のないオッサン」である。彼らは、かつての「日本型福祉社会」を所与の前提として育った。だから、「キモくても」稼ぎ手としての役割を果たしてさえいればセックスパートナーにして友人である妻は容易に手に入ると考えたはずである。ところが、生活給からも見放され、結果としてキモくて金のないオッサンとして一人孤独に生きることになってしまったのである。そして、日本型福祉社会のおこぼれにあずかりたく「強者女性は俺様と結婚しろ」と言い続けているわけである。そして、実はホームレス支援の現場でも関係する事象が報告されている。ホームレスになった男性は、かつては仕事で存分に能力を発揮してきた。仕事さえできれば、そして賃金さえもらえてれば、生活は回っていたのである。例えば洗濯ができなかろうと汚れた服は買いかえればいいし、料理ができなくてももらった給料で弁当を買ってくればよかったのである。ところが、仕事を失い、それまで金があることを前提に回っていた生活は一気に破綻する。そこからホームレス化する。そのようなことが報告されていた(「生活保護200万人時代の処方箋 : 埼玉県の挑戦」埼玉県アスポート編集委員会編、ぎょうせい)。一般に、男性は稼ぎ手としての役割さえ果たせればそれでよしとされてきたと言える。それは私自身のことを言ってみてもそうだ。ところが、稼ぎ手としての役割すらどうやら果たせなくなった中年男性があまりにも増えた。これが「キモくて金のないオッサン」の正体であろう。
 確かにこのようなオッサンたちを「ざまあみろ」と切って捨てるのは簡単なのであるが、このようなオッサンを必要として育ててきたのもまた「日本型福祉社会」なのである。日本型福祉社会はすでに誰の目にも破綻は明らかで、新しい社会の設計図を描かなければならないのだが、いまだに新しい社会の設計図は描けない。
 僭越ながら、「キモくて金のないオッサン」への施策を、断片的ながら提案しておこう。
 ・労働組合の加入・結成の奨励(孤独な男性労働者の仲間づくりの場となると同時に、労働条件引き上げの環境醸成になる)
 ・労働時間の大幅短縮(最低でも週40時間を絶対的な上限とする。そのことによって家事などの他事にかまう時間を増やす)
 ・低家賃住宅の大量供給(金のないオッサンでも独立の世帯を持てるような住宅を保障する)
 
 全般に、日本学術会議提言「若者支援政策の拡充に向けて」は、キモくて金のないオッサン救済に役立つ提言となっているように見える。

■「主要統計表」にデータがないからと、データそのものがないとのたまうネトウヨ #ネトウヨの日本語離れ

 そう、「主要統計表」である。まともな人なら、この文字をみたら、主だった統計表だけを抜き出したものと読解できるはずなのだが、そうではない人も山ほどいるようなのである。一例はこいつ。 社会生活基本調査による高校在学者の塾による学習などの行動者率のデータを示したのだが、こともあろうにこいつは「主要統計表」の中に入ってないからと嘘つきだなんだとのたまったのである。ネトウヨの日本語離れは著しいと言えよう。

■小児に対する性犯罪の加害者は、本当に親が多いのか?

 こういう俗説はよく見る。
 さて、本当に小児への性的加害者で多いのは親の交際相手なのか。平成27年版「犯罪白書」の記述を見よう。

4 小児わいせつ型
初回の性非行・性犯罪時の年齢は,29歳以下の者が約4割,30~39歳以下の者が約2割,40歳以上の者が約4割であり,犯行時の年齢を見ると50歳以上の者が約3分の1を占めている(6-4-3-4図<5>, 本編第4章第3節3項(1)エ参照)。 性犯罪前科のある者は1割強(同図<1>参照)であるが, 複数回の性犯罪前科のある者の多くは,小児わいせつ型に当てはまる前科を有している(6-4-5-8図参照)。 再犯者のうち,性犯罪再犯(刑法犯)ありの者の割合が他の類型と比べて高く,そのほとんどは,小児わいせつ型に当てはまる再犯である(本編第4章第4節2項(1)ウ参照)。 中学卒業の学歴を有する者は約半数であり,未婚の者も過半数である(6-4-3-3図<3>, 同図<4>参照)。
小児わいせつ型の者について,対象者と被害者との関係を見ると,1割強が親族であり,3割強が親族以外の面識のある者であった。親族以外の面識のある者との関係性について見ると,日頃から関わりのある者が多い。
小児わいせつ型には,中高年になってから性犯罪に及ぶ者や,複数回の刑事処分を受けているにもかかわらず小児を対象とした性犯罪を繰り返している者が一定数含まれている。
5 小児強姦型
初回の性非行・性犯罪時の年齢層は,29歳以下,30~39歳,40歳以上の区分でそれぞれ3割前後である(6-4-3-4図<5>参照)。犯行時の年齢を見ると,19歳以下の者が1割弱である(本編第4章第3節3項(1)オ参照)。 性犯罪前科のある者の割合は1割強であり,性非行の保護処分歴のある者はいなかった(同図<1>, 同図<4>参照)。 中学卒業の者の割合は過半数である(6-4-3-3図<4>参照)。
小児強姦型の者について,対象者と被害者との関係を見ると,3割弱が親族であり,親族以外の面識のある者は4割弱であった。親族以外の面識のある者について,面識のきっかけの過半数はインターネットの出会い系サイト等によるものであった。
小児強姦型には,性犯罪前科のない者で,中高年になって,親族や面識のある被害者との関係性を利用して犯行に及ぶ者が一定数含まれている。
―平成27年版犯罪白書(法務省法務総合研究所編集)

 なお、同白書による「小児わいせつ型」「小児強姦型」の定義は、次の通り。

「小児わいせつ型」は,被害者に13歳未満の者を含み,13歳未満の被害者に対する罪名に強姦を含まず,強制わいせつを含む単独犯行の者である。
「小児わいせつ(共犯)型」は,被害者に13歳未満の者を含み,13歳未満の被害者に対する罪名に強姦を含まず,強制わいせつを含み,共犯による犯行がある者である。
―平成27年版犯罪白書(法務省法務総合研究所編集)

 そして、平成27年版犯罪白書の調査は「全国において,性犯罪を含む事件で懲役刑の有罪判決を受け,平成20年7月1日から21年6月30日までの間に,裁判が確定した者1,791人を対象とした。」(同じく平成27年版犯罪白書より)

 みていると、確かに想像以上に親族などによる犯罪は多いのであるが、親族以外の者による犯罪も相当数を占めているのがわかる。なんかなぁ、「安易に再婚する」などと女性を叩くために持ち出されたデマであるような気がするのだが。

■おときた駿都議、韓国学校が絡んだ途端に、「保育園を作るべきではない」との自説を翻した

 音喜多駿(おときた駿)都議、2016年2月16日の時点では、「保育園落ちた日本死ね!!!」って言われたけど、むしろ東京都は保育園をつくるべきではない理由 | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイトなどと提言していた。ベビーシッターにも使えるバウチャーを配れと。これから保育園を作るべきではないと。そう言っていたのである。 
 ところが、市ヶ谷商業高校跡地跡地を韓国学校に提供する構想が報道されるや否や、保育所より、障害児支援よりも韓国人学校?海外に熱心なあまり、都民が見えない舛添知事 | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイトなどと言い出す。曰く、「都有地の貸与は新宿区などに行い、基礎自治体の保育所新設を支援するべき」だとさ。2016年2月16日の記事で書いていた「そもそも保育所・保育園で解決するという発想からの脱却」「「(行政が)保育所をつくるのをやめろ!その分を利用者に配れ!」という方向が正しい」という意見はどこに飛んで行ってしまったんでしょうね。
 韓国学校へのヘイト感情から、前言を翻して無理やり理屈をこじつけたと言われても仕方ない体たらくである。

テーマ:地方自治 - ジャンル:政治・経済

■東京韓国学校、校舎の延床面積からすれば、定員は相当詰め込んだ数字だぞ

 ネトウヨさんは、東京韓国学校が定員割れだと騒いで、市ヶ谷の敷地に校舎を増設する必要などないと述べてらっしゃる。そこで、とりあえず検証した。
 東京韓国学校の校舎の延床面積は作品集 ホテル・店舗・病院など||不二建設株式会社にあった。1991年建設の校舎が2,975.69平米、2010年増設の校舎が2,975.69平米、合わせて11590.55平米である。これを定員1440人で割ると、定員一人当たり8.05平米になる(小数点二位以下切り上げ)。一方、文部科学省の「平成27年公立学校施設等実態調査」によれば、小学校の生徒一人当たり必要面積は12.30平米とのこと。これに比べても相当詰め込んでいることが分かる。ちなみに、近隣の牛込第一中学校の延床面積が5,210平米(新宿区資料による)で、生徒一人当たりの面積は21.61平米(小数点二位以下切り捨て)であるから、新宿区立中学校と比べたらもう雲泥の差である。
 需要が逼迫しているがために、無理やり詰め込んで定員を増やしただけのことである。それでもなお定員割れと文句を言うつもりだろうか?

テーマ:教育問題 - ジャンル:政治・経済

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ブログ名変えた(2011.4.24)。落ち着かないなあ。

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