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■朝鮮学校「無償化」問題、朝鮮学校のみを見ていてもダメなんですよ

昨日の記事で突っ込んでおいたおはらん氏の記事、早々に加筆訂正され、各種学校・専修学校も無償化の対象となるという事実を踏まえた記述になった。

で、肝心の朝鮮学校の無償化問題。この件については賛成派も反対派も朝鮮学校のことしか見ていないのだが、この問題、意外なところで矛盾が出てきかねないのだ。

そもそも朝鮮学校を含むところの各種学校を無償化の対象から外すべきだとの考えがある。実際、文部科学省の資料(PDFファイル)にも「専修学校・各種学校については、高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学大臣が指定する学校を予定。具体的には専修学校については高等課程を想定、各種学校については制度上専修学校になり得ない外国人学校について予算上積算しているが、なお検討中。」との記述がある通り、ここで言う「各種学校」とは外国人学校を想定していたと思われる。だから、一見、各種学校は対象外にして問題ないとも思える。しかし、単に各種学校を対象外にするだけだと、矛盾が生じてくる。中教審の教育制度分科会で問題になった話なのだが、一部の通信制高校が業務を外部のいわゆるサポート校に一部外注しているという実態がある。議事録より引用

○鳥居分科会長 そうですね。そういうことをおっしゃっているのだと思いますので。
 分科会長の私と田村先生、部会長とで後引き取って、お引き受けしてもいいのですが、一つだけ参考のために皆さんの御意見を伺っておきたいのは、4ページの下から2行目の名称、あるいは7ページの上から4行目の名称。この名称に諮問をもらったときのニュアンスをどう入れるかについて、もうこれでいいと。私は4ページの下から2行目でいいように思っているのですが、さらにプラスアルファのニュアンス、学力というニュアンスをつけるかですよね。
 ちょっとそのことを考えていただくために厄介な話をしますけれども、これが実行されたとしますね。私たちは、今、公立の高等学校を中心に事態を想像しているのですね。ところが、首都圏を中心に私立の通信制の高等学校が、急増しているのですよ。またこれが、こんなに行くのかと思うぐらい入学者が増えているのです。そこでは、卒業と同等程度なんてものではなくて、ちゃんと卒業証書が出てしまうわけですね。しかも、卒業証書を出すのには、通信制ですから、スクーリングが必要になる。スクーリングはどうしているのかと思っていろいろ調べてみると、いろいろな、「えっ?」と思うような学校が通信教育で高等学校をやっていて、そのスクーリングは外注しているのです。それをサポート校という名前で呼んでいるらしいのですけれども、そのサポート校というのはどこがやっているかというと、かつての予備校なのです。その予備校が受け皿になってサポート校契約を結んで、それを一体とすると卒業できてしまうのですよ。
 そうすると、この「同等程度」というのを相当重いものにしておいてあげないと、むしろそっちのほうが楽に卒業できてしまう。しかも、高等学校卒業の、芝田課長の言葉でいえばディプロマが出てしまうということになっている。
 これは関西ではどうなっているかよくわからないのですが、それはちょっと梶田先生。

○梶田委員 実は私もそのことで発言したいと思っていたのですけれども、私は今、大阪府の私学審議会の会長をやっていまして、大阪府の私学課の方々からよくいろいろと実情を聞いていますが、今、大阪でもサポート校が問題になっております。予備校を使うのだったらまだいいのですよが、小さな塾みたいなところもありまして、今、少し私学課が実態調査をして、本当にスクーリングの実が上がっているかどうかをチェックしなければいけないということを伺っています。そういうサテライトを幾つも持っているわけですね。〔以下略〕

ここでは単に面接指導のみの外注なのでそれほど問題を感じられないかも知れないが、「全私学新聞」には大部分の業務を外注しているところがあるとの記述がある。実態はほとんど無認可校なのに、書類上はれっきとした高等学校なので当然無償化の対象だ。このような実態を放置したまま各種学校を対象外にするとなると、書類を揃えたか否かのみでで無償化の対象となるか否かが決まり、不合理になる。また、各種学校がある種の者にとっては重要な受け皿になってきたのも事実で、彼らに対しても支援をしなければ教育の機会均等の理念から外れてしまうのではないか。しかし、単に各種学校を対象に加えるだけでも問題はあって、それこそ自動車学校なんかも無償化の対象になりかねない。

現在政府部内で浮上してきているのが、カリキュラムが高校に類するとは認められないという理由付けで朝鮮学校を無償化の対象から外す案だ。しかし、これも一部の通信制高校ではただ座っていれば単位を与えるというカリキュラムも何も無いという実態が報じられている。また、いわゆる教育困難校では高校のカリキュラムを消化していないという実態もある。それでも書類上は高等学校なので無償化の対象だ。これもまた書類を揃えたか否かのみで無償化の対象か否かが決まることになり、明らかに矛盾が生じる。また、専修学校はそもそも高等学校のカリキュラムに準拠していない。東日本高等学院のような例はむしろ少数派だ。それでも無償化の対象になる。高校のカリキュラムから外れても無償化の対象になるものがかなりあるので、高校のカリキュラムに準拠していないことを理由に無償化の対象から外すのは難しいのではないか。もっとも、朝鮮学校が際立って高校のカリキュラムから逸脱していると説明できれば無償化の対象から外すのは問題ないことになるが(だからあえて「難しいのではないか」という表現にしておいた)。

朝鮮学校と同じように正規の高等学校制度からはみ出た教育機関は一条校を含めてかなりあり、朝鮮学校を無償化の対象から外すとしたら、これらの教育機関も無償化の対象から外さないと整合性は取れない。しかも、これらの教育機関もある種の者にとっては貴重な受け皿でもある。かといって「正規の高等学校制度からはみ出た」状態を無条件に是認するのも問題が大きい。朝鮮学校を無償化するしないどちらの結論を導くにしても無償化対象の総仕分けを行うほかなく、大仕事になるのは確実だ。朝鮮学校だけ見ていればいいというやわな問題ではないのだ。

〔2010.3.15追記〕
1966年に中教審は「15歳から18歳までのすべての青少年に対し,その能力を最高度に発揮させるため,義務教育修了後3か年にわたって,学校教育,社会教育その他の教育訓練を通じて,組織的な教育の機会を提供する。」と言う答申を出している。原文はこちら。15歳から18歳までのすべての青少年に「組織的な教育」を施すべきだとしながらも、その教育の場は高等学校に限定していない。この答申の立場からすれば一条校以外の専修学校や各種学校も当然無償化の対象にされるべきだ。
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