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■「生活必需品」の定義ができない以上、公明党が消費税軽減税率で狙う理想は実現せず、消費税の逆進性はそのまま

 まずは、次の表をごらんいただきたい。この表は、消費税に軽減税率を導入した際の年収別の消費税負担率を示した表である。導入品目をいくつか想定してパターン別に示した。なお、この数字は単身世帯も含めた勤労者世帯の表である。負担率の単位はパーミルで示してあるので、単位には注意いただきたい。
年収軽減税率なし生鮮食品外食・飲料を除く食品与党合意案
200万円未満112.54110.84109.09107.19
200万円~300万円76.6375.5974.5273.13
300万円~400万円66.4465.4764.5063.28
400万円~500万円62.1061.2060.3659.21
500万円~600万円55.5554.6453.8652.93
600万円~800万円50.6649.8749.1848.38
800万円~1000万円46.6745.9645.3744.70
1000万円~1250万円42.6942.0641.5440.96
1250万円~1500万円40.8840.3239.8539.27
1500万円~32.6632.1931.8031.33
資料:総務省統計局「平成21年全国消費実態調査」を基に筆者計算。

 この表を見てもらうとわかるように、軽減税率の品目をどういじってみても、低所得者ほど年収に対する負担率が高くなる「逆進性」は解消しないことになる。確かに低所得者ほど税の軽減率は高くはなるのだが、それでも焼け石に水である。
 どうしてこのような結果になるかといえば、なにをもって「生活必需品」とするかの定義が絶対にできないからである。食品に限定したところで、高所得者はより高価格の商品を買ったりより多くの量の消費を行うわけで、その分まで税率が軽減されることになるわけだ。一方、低所得者だって食品以外の品物を購入するわけで、それらは通常の税率になるので負担は大きくなる。公明党が言う「生きるために必要な品物には税を軽減することで低所得者対策」という理想は美しいが、その理想を実現するには「生きるために必要な品物」を確実に区分けできなければならない。区分けができなければ、低所得者対策としてはとても弱いものになり、高所得者へ大きな利益を及ぼすことになるのだ。結局のところ、軽減税率で低所得者対策とするのは、予算をかける割には低所得者が得るものは少ない。公明党の山口代表は「軽減税率は「給付」に勝る」と述べているが、しかし、低所得者が実際に得られる金額を考えれば、一概にそのようなことも言えない。
 結局のところ、公明党が言っている軽減税率導入論は、まやかしでしかないのである。
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テーマ:消費税 - ジャンル:政治・経済

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