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■痴漢冤罪でひどい目にあうのは、日ごろ被疑者を粗末に扱ってきた因果応報

 タイトルの通りのツイートをしたら、一部の人の怒りを買った。だが、私は痴漢冤罪について考えれば考えるほど、これまで我が国の社会が被疑者を粗末に扱ってきたことがそのまま痴漢冤罪で悲惨な目にあう要因としか考えられないのだ。
 「公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現すること」を実現しようとしたら、誰がどう考えても、被疑者及びその弁護人と警察及び検察が対等に対峙するしかない。これがもし犯罪者を処罰しなくていいというのなら単に警察と検察を廃止すればいいだけなので簡単な話だが、もちろんそんなわけにもいかないだろう。結局のところ被疑者・弁護人が捜査当局と対等に対峙する以外に道はないのである。そして、痴漢冤罪で悲惨な目にあっているというのは、要は被疑者・弁護人が捜査当局と対等に対峙出来ていないから、もっと言ってしまえば被疑者・被告人の立場を弱いものにし続けてきた社会全体の責任である。
 痴漢で捕まって長々と身柄を拘束されれば職が危うくなるというのは、そもそも警察に捕まったくらいで犯罪者視するわれわれ一人ひとりの心がけの問題だ。被疑者の家族が記者会見に出てきて「警察にハメられたに違いない」としれっと話せば、皆さんはこのご家族を袋叩きにするでしょう?これがすなわち被疑者になっただけで犯罪者視しているということである。社会の成員がみな警察に捕まった時点では警察にハメられたに違いないと思い至れば、そもそも解雇するなどということにもならないわけだ。また、そもそも長期拘留されるのがおかしいとする向きもあろうが、これだって容認してきたのは我々の社会だ。いままでに口がすっぱくなるほど人質司法と日弁連などから指摘されてきたにも関わらず、結局改められていない。これも多くの国民にとってはそれなりにメリットがあり(検挙率向上)、それを歓迎してきたのも我々国民である。無茶な判断を下されるってのも、そもそも弁護士が最初から最後までついていないからで、弁護士が最初から最後までついていないのも被疑者弁護制度がお粗末過ぎるからだ。弁護士が取り調べに立ち会えば、無茶な取調べは抑制できるわけだ。そして、そのような活動を支えるべく、被疑者弁護人の報酬を十分に国費で保障するのも必要だ。もちろんこれを怠ってきたのも我々国民である。
 さらに言ってしまえば、「疑わしきは被告人の利益に」というお題目の通りに無罪判決を下したあとからその被告人が検挙されたら、週刊新潮あたりが鬼の首を取ったかのように裁判官と弁護士をバッシングするし、そうでなくても被告人の弁護をする弁護士を蔑視するのはこの国の常だ。
 結局、ことごとく被疑者・被告人は粗末にされてきていて、ご多分に漏れず痴漢被疑者「も」粗末にされているだけだ。それが痴漢冤罪を悲惨にしている原因である。痴漢冤罪で悲惨な目にあうのは、日ごろ被疑者・被告人を粗末にしてきた因果応報が回ってきただけである。日ごろ被疑者・被告人を粗末に扱っておきながら、痴漢被疑者「だけ」丁寧に扱うことなどできるはずもないのだ。
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テーマ:刑事司法 - ジャンル:政治・経済

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