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■万引き事件処理、統計からみる実像

〔2010.1.4追記〕東村山市議異状死事案に関する資料を求めてこのブログへ来られた方へ
このブログには大したものはありません。詳細な資料をお求めの方は朝木明代市議万引き被疑事件・転落死事件 まとめWikiをご覧下さい。質・量ともにはるかに豊富な情報が掲載されています。

瀬戸弘幸氏のブログの東村山市議万引き事案についての記事のコメント欄でやれ指紋採取しなかったのは怪しいだの現行犯逮捕しないのも怪しいだの何だの言う議論がなされている。

とにもかくにも警察は万引きをどういうように処理しているのか、統計を概観してみることとする。
なお、今回使う数値の出典はつい先日警察庁が公表した「平成19年の犯罪」である。表番号も「平成19年の犯罪」のものである。

1.認知
平成19年中に警察が認知した万引き事件は14万1915件。
そのうちの9割以上にあたる13万0008件は被害者や被害関係者からの届け出が認知の端緒になっており、職務質問や取り調べなどの警察活動が認知の端緒となったのは6133件(認知件数全体の4.32%)にすぎない。
なお、一般人が現行犯逮捕を行って警察に連れてきた(常人逮捕同行)ことが認知の端緒となったものは1027件となっている。(以上、「8 窃盗 手口別 認知の端緒別 認知件数」による)

2.検挙
犯罪事実が確認でき、かつ、被疑者を検挙できた万引き事件は10万5299件、うち9万8495件は単独犯によるものである(「21 窃盗 手口別 成人・少年事件別 共犯形態別 検挙件数」)。
主たる被疑者特定の端緒が指紋や掌紋であったのは147件、そのほかの鑑識活動が被疑者特定の端緒となった事件を合わせても196件。万引き事件では鑑識が被疑者特定の端緒にはなりにくいということが言える。
なお、警察活動が被疑者特定の端緒にならなかった事件の数は6万3013件、全体の60%弱は警察活動が被疑者特定の端緒にならなかったことになる(「25 窃盗 手口別 主たる被疑者特定の端緒別 検挙件数(警察活動)」)。
一方、被害者や被害関係者、警備会社の協力が被疑者特定の端緒になった事件は9万1777件である(「27 窃盗 手口別 主たる被疑者特定の端緒別 検挙件数(民間協力等)」)。
なお、民間協力と警察活動では重複計上されている場合があることに留意されたい(刑法犯検挙情報票の書式には両者を記載するようになっている)。また、ほとんどの事件(10万0058件)では地域係が被疑者特定の端緒を得ている(「30 手口別「主な被疑者特定の端緒を端緒を得た係別 検挙件数」)。

3.被疑者の処遇
万引きで検挙された被疑者の数は10万2504人、そのうち9万1960人は最後まで身柄を拘束されないままに終わっている。以前も書いたのだが、万引き事件では逮捕される方が珍しい。
また、4万6220人は微罪処分、早い話が検察に送致すらされずに警察で始末書を書く程度で終わっている。(「32 窃盗 手口別 身柄措置別 送致別 検挙人員」)
なお、少年については少年法が全件送致主義を採っているために微罪処分の対象とはならない。少年の万引き犯は2万8161人であるから、警察段階で処理を終わらせることのできる万引き犯の6割までが実際に警察段階で処理を終わることになる。
彼ら(及び彼らを処理する警察)にとっては指紋採取も証拠収集も無縁の話である。

もっとも、万引き犯のほとんどは現場から逃走していないという事情はあるのだが(「34 窃盗 手口別 主たる被疑者の逃走時の交通手段別 検挙件数」)。

ここで東村山市議万引き事案について素朴な私見。
万引き犯の半数以上は始末書で終わる。ましてや問題の市議は初犯である(少なくとも警察が認知したものは)。
東村山警察署は最初に呼び出した時点では通り一遍の調書を取り、通り一遍の始末書を徴して終わらせる意向だったのではないだろうか。

あなたが警察官だったとして、通り一遍の始末書と通り一遍の調書で一件落着の事件に大々的に捜査態勢を組む気にになるだろうか?
ましてや、当時警視庁はオウム事件にてんやわんやだったわけだ。そんな中でたかが万引きの初犯。手早く半日程度で始末してしまおうと考えたのではないか。

ところが思いがけずに被疑者が対決姿勢を見せる。大慌てで本格的に捜査を始め、送検する。まさしく泥縄式だったのではないか。

ちなみに、この泥縄式捜査、被疑者が少年ともなると殺人事件にまで適用された実例があったりする(山形マット死事件。この事件はこじれにこじれて、最終的に民事訴訟で遺族と加害者の少年が最高裁まで争う結果になった。もちろん指紋採取など行われなかった)。

【以下、お知らせ】
警察庁より「平成19年の犯罪」が公表されたため、以下のエントリーに2007年の数値を追加しました。
1.少年の福祉を害する青少年条例違反の検挙状況及び被害児童数の年次推移
2.児童福祉法違反(淫行させる行為)の検挙状況及び被害児童数の年次推移
本当に児童ポルノ事件は増えているのか
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ブログ名変えた(2011.4.24)。落ち着かないなあ。

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