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■生活保護は保険料などを負担していないと言うが本当に保険料を負担していないのは誰か

 まあ相変わらず生活保護バッシングは止むところを知らない。バッシングしている連中の言い草で代表的なのは「保険料を払ってない、俺たちの金をただ吸い取ってる」という言い草。はて、他の社会保障制度でそんなに負担と受益の帳尻って合ってましたっけと国民年金について調べてみた。
 国民年金保険料の今昔を比較するのに単純に数字だけで比較していては今と昔の貨幣価値の違いを無視してしまう。そこで賃金の伸びと消費者物価指数を指標にしてそれらと比較してみることとした。調べた結果は次の通り。

1.賃金の伸びと国民年金保険料の伸びの比較
 まずは賃金の伸びとの比較から。2010年を100とした時の1961年から2013年までの賃金の伸びを指数化したものと年金保険料を指数化したものとをグラフにした。なお賃金は厚生労働省「賃金構造基本調査」による40~44歳男性労働者の全学歴の平均現金給与のデータを使用した。
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 はーい、一目瞭然、昔は賃金は確かに安かったが年金保険料はそれよりもはるかにはるかに低廉だったことがわかる。ほとんどタダみたいなものである。もっとわかりやすくするために、2010年の保険料と各年の保険料額の比較をした。基準となる2010年保険料額は各年の賃金の伸び率(または減少率)を乗じ、当時の価値で今の保険料は当時の保険料の何倍になるかがわかるように調整した。
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 はい、こちらも一目瞭然、1960年代~1970年代前半の保険料は当時の価値にそろえたとしても今の年金保険料の10分の1、こんな低廉な保険料しか払ってないのに保険料を払ってきたから当然の権利だdと年金を受けているのが今の老人である。

2.消費者物価の伸びと国民年金保険料の伸びの比較
 今度は消費者物価と比較してみた。こちらも手法は同じである。基準にしたのが総務省統計局「消費者物価指数」であるだけだ。
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 こちらも、昔に比べた現在の消費者物価指数の伸びよりも昔と現在の国民年金保険料の伸びの方が大きいことがわかる。当時の貨幣価値の基準を消費者物価指数に置いた上で当時の価値で比較してもやはり当時の保険料より現在の保険料の方が高いことがわかる。それをよりわかりやすくしたのが次の二図である。
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 当時の貨幣価値を消費者物価指数で計った上で当時の貨幣価値で現在と今の保険料率を比較したらなんと1960年代の保険料率は今の25分の1、とてもとても安い保険料だ。あまりにも落差があるので図を二つに分けたほどである。

 以上、二つの検証からわかるのは今年金をもらっている人間が払ってきた保険料は当時の貨幣価値に直したとしてもなお現在の保険料よりはるかに安い保険料であった。さて、これほどまでに低廉な額の保険料しか払ってないのに今の年金額を受け取るのは単に払った額を返してもらっているだけといえるだろうか?帳尻は合っているだろうか?

3.たいていの人にとっては、社会保障の個人ごとの厳密な帳尻など追求しないほうがよい
 まとめ。年金でさえ負担と受益の帳尻は合っていないことが判明した。負担と受益の帳尻が合っていることを要求する立場からすれば今の老人はもらいすぎ、若者の金を吸い取っていることになる。では若者の金を吸い取ってるからと年金を受けている老人に怒りを覚えるだろうか?覚えないでしょう、社会保障の負担と受益の個人ごとの帳尻など追及するだけ無駄なのである。

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テーマ:社会保障 - ジャンル:政治・経済

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