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■貸与型奨学金に無理があることを示すひとつのグラフ

 まずは下のグラフをごらんいただきたい。このグラフは平成24年就業構造基本調査(総務省統計局)による25~29歳男性の学歴別の所得状況を表したものである。25~29歳男性の学歴別所得状況
 このグラフで目に付くのはとりわけ中学校卒の学歴の方の所得が極めて低いということだ。およそ半分近くが年収200万円以下、2割以上は現在何らの仕事にも就いていないという現状である。確かに残り半分は年収200万以上ではあるのだが。
 年収200万円というのは単身ならそれなりに生活していけるが、結婚して子をもうけようとしたら直ちに生活保護基準を割り込む程度の貧困水準である。ローンなど夢のまた夢だ。確かに妻がフルタイムで働けば生活保護を回避することは可能だが、女性の賃金水準の低さからすれば相当にシビアな条件である。
 これが高卒者になるとちょっとはマシになって年収200万を割り込むものの割合は3割弱にまで下がる。半分は年収250万円以上の所得を得ている。であるから高校を卒業することには経済的メリットが存在する。それでも7割近くが年収300万以下なので子をもうければ生活保護基準をちょっと上回るか上回らないか程度の所得でしかないことになる。
 ここで問題にしたいのはこのメリットがローン(多くの人が奨学金と呼んではばからないもの)を返済するに耐えられるメリットかどうかということである。確かに高校を卒業することで所得が生活保護基準を割り込むことを防ぐのには成功する可能性は高いのだが、しかしだからと言って学資ローン(奨学金)の返済に耐える力をつけるものではない。高校無償化に関する議論で「奨学金借りて行けばいいだけ、それが嫌なら中卒で働け」と言っている人たちはこの事実をどこまで知っているだろうか?高校を卒業しても決して奨学金返済に耐えられるほどの所得が得られるわけではないが、かと言って高校を卒業しなければ大いなる確率で生活保護基準を割り込む貧困である。さて、このような場合、貸与型奨学金は適切な支援といえるだろうか?

 もうひとつ、大学の貸与型奨学金である。さすがに大卒者となると6割は年収300万円以上にはなる。しかし大学で学資ローン(奨学金)を借りれば数百万単位になる。さらには年収300万といっても住宅費なども考えればやはり苦しい生活である。生活保護基準は確かに上回っているがそれでも生活保護基準を大幅に上回っているというわけではない。子のようなメリットしかないのに貸与型奨学金は果たして適切といえるだろうか?
 確かに、単身で暮らせばそれなりに余裕はある。子も結婚も贅沢だと割り切ってしまえば余裕はあるのだ。しかし、それって要するに少子化の推進でしかないのではなかろうか。自民党のセンセイ方は一生懸命結婚させよう結婚させようとやれ婚活支援だ街コン支援だのをやれと主張して異次元の少子化対策と息巻いていらっしゃるが、街コンやら婚活やらを支援したところで金がなければ子をもうけようにもどうしようもないわけで(金がないのに子を産むな、自己責任だとおっしゃってましたよね?)、ピントがずれてるとしか言いようがない。

〔2014.5.5追記〕
 いろいろ反応があったので少しだけ返答する。個人的に返答すべきと考えたものにのみ返答しているので念のため。

「教育にかけた費用にみあう収入を得られない人もいるけれど、傾向としては教育を受けることで収入の増加が見込めるわけで、借金しても学校に行きたい人にお金を貸すことは社会にとっても有益のような。」(はてなブックマークへのROYGB氏の投稿)
→収入の増加は見込めますけど、その収入の増加幅はとても学資ローン(奨学金)の返済能力をつけるものとはいえないわけです。

「年収200万円でも大学の奨学金きっちり返済した人間から見たらこんなのただの甘えで言い訳。返済できないなら借りるな」(Twitterへの@yu_n45氏の投稿)
→返済できないなら借りるなと言うのなら大いなる確率で貧困が待ってます。「高校を卒業しても決して奨学金返済に耐えられるほどの所得が得られるわけではないが、かと言って高校を卒業しなければ大いなる確率で生活保護基準を割り込む貧困である」と書いたんですがね。大学にしても事情は似たようなもので、大学を出ても奨学金を返済できるほどの収入は得られませんが大学を出なければ家族をもてるほどの余裕はないわけですね。ここが問題なわけです。
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