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■子を持つ世帯が負担している教育費は所得の伸びを上回って増えている

 はてさて、まさか覚えている方も少ないだろうが一ヶ月以上も前の記事「「世代間格差は存在せず世代内格差だけ」というのは間違いだ」の続きである。データ集めに少しばかり時間がかかったのと私の不精のなせる業で一ヶ月も置いて続編が出てくるのである。
 先の記事で批判したブログ「Think outside the box」はその後の記事で「世代間の給付と負担のバランスの変遷を定量的に論じることが主旨では」ないとして逃げの姿勢を打っているがそうであれば「一見すると世代間不公平のようですが、その実は世代内不公平ということです。(闘争するなら世代間ではなく世代内で)」などと書かなければよいのであって、世代間不公平だけでなく世代内不公平も存在することの指摘にとどめればよかったのである。
 氏は一応「子育て負担と保険料負担は後の世代ほど高額化していますが」としてはいるがその後に「実質所得も増加」しているからやはりこちらの世代間格差は存在しないと考えているようだ。

 そこで私は子育て費用のうち教育費の推移を調べてみた。使用した統計は総務省統計局が作成・公表している「全国消費実態調査」の各年版である。この統計の報告には世帯属性別の結果も収載されており、ここではその中の夫婦と子一人の世帯のデータを用いた。これは子が一人であることによって他のきょうだいの影響を受けることなく子一人に費やされる教育費の状況が子の年齢別にわかるからである。なお、教育費の指標にはこの報告に載っている「教育関係費」という数値を用いた。狭義の教育費(授業料)のほかに通学定期代や塾代なども含まれており、教育に費やした経費がより正確にわかるからだ。
 それではグラフをご覧いただこう。まずは子を持つ世帯(全世帯…勤労者世帯のみではない。以下同じ)の年間収入に対する教育関係費の割合である。これは小学生の子がいる世帯の年間収入に対する教育関係費の割合、中学生の子がいる世帯の年間収入に対する教育関係費の割合…というように分類してある。なお、データを見やすくするために分母である年間収入を12で割った数を分母としてある(これも以下同じ)。
子を持つ世帯対教育費
 夫婦と子一人の世帯とあるのは夫婦と子一人の世帯すべてをあわせた平均という意味である。ここで注目すべきは子が高校生・大学生の世帯の教育費支出割合の伸びである。一旦は経済成長に伴って教育費支出割合の減少が見られたが結局増加しているのである。さらに、2004年から2009年にかけてその割合を減らしている。これは経済の縮小が影を落としているのだろう。その割に夫婦と子一人の世帯全体をあわせた平均値で見ると教育費支出割合は増えていないが、これは成人して学校を卒業した子がいる世帯の割合が増えたためと思われる(参考表3、4)。

 続いては中間所得層の年間収入に対して子を持つ世帯が支出した教育関係費の割合である。分子は子を持つ世帯が支出した教育関係費だ。分母の中間所得層は第五・10分位(全世帯…勤労者世帯のみではない。)とした。これは所得が低い方から世帯を順番に並べて行ってこれを世帯数で10等分したときに5番目のグループに入る層がこれである。それではどうぞ。中間所得層対教育費 こちらも右肩上がりである。特に高校生・大学生の伸びが著しい。

 さて、ここまで見てくればわかるように、子育て負担は実質所得の伸びを勘案しても世代ごとに異なるのであって、Think outside the boxが言う「「幼少時に親から受けた便益(を金銭換算したもの)」と「成長後に親に支払う金額」をそれぞれ1人当たり1と」するなどという仮定は現実社会には当てはまらないことがわかる。

 なお、今回の記事に使用した数値を数表として掲載した。「続きを読む」から参照することができるので興味のある方は参照いただきたい。
参考表
1.数値はすべて「全国消費実態調査」(総務省統計局)によるものである。
2.1969年の小学生の数値は「9歳以上の小学生」の数値である(参考表3を除く)
参考表1 年間収入
年次夫婦と子一人の世帯第五・10分位
平均子が小学生子が中学生子が高校生子が大学生
19691,118,0001,190,0001,306,0001,275,0001,825,0001,089,000
19742,454,0002,448,0002,575,0002,651,0003,266,0002,280,000
19794,094,0003,916,0004,591,0004,608,0005,371,0003,613,000
19845,345,0005,085,0005,508,0005,643,0007,087,0004,583,000
19896,623,0006,126,0006,697,0007,047,0008,733,0005,474,000
19947,919,0007,253,0007,936,0008,587,0009,922,0006,430,000
19997,743,0007,162,0008,280,0008,765,0009,467,0006,200,000
20047,070,0006,710,0007,505,0008,113,0008,673,0005,560,000
20096,953,0006,954,0007,756,0008,260,0008,908,0005,170,000
参考表2 教育関係費
夫婦と子1人の世帯子が小学生子が中学生子が高校生子が大学生
19693,1483,6346,73911,65913,008
19745,6404,46712,92519,14120,202
197913,6189,39026,05845,78450,707
198416,88611,52136,40955,56765,984
198923,26214,77939,61277,725101,808
199429,33917,26963,524106,892117,710
199926,48517,52967,606112,172129,345
200423,84016,61154,175119,618138,970
200922,36416,58956,329112,892125,788
参考表3 世帯構成その1
夫婦と子1人の世帯子が2歳以下の幼児子が3~6歳の未就学児子が小学生子が中学生
196992,88932,57313,88312,7205,996
1974103,45633,45111,86212,4777,596
1979125,35133,46215,03714,7419,112
1984137,56232,62511,82414,0629,819
1989125,09427,2609,8319,3246,640
1994142,02729,71510,24311,2006,395
1999153,79930,43612,03310,9866,263
2004167,49126,68415,27013,8826,428
20097,138,4201,065,845557,826715,668314,861
参考表4 世帯構成その2
子が高校生子が大学生子が15~21歳で在学していない子が22歳以上で在学していない
19697,5973,2466,266-
19749,6934,5205,601-
197912,8795,3946,71228,013
198413,7045,9908,17041,367
198913,4066,3088,26342,967
199412,4437,3478,46354,781
199910,8996,8005,45569,429
200410,5976,5744,46981,485
2009436,571332,195143,1793,520,236
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