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■【togetter生活保護論議反省記】「生活保護基準引き下げによって広く生活保護が行き渡るようにできる」は本当か

 先週末から今週にかけて「生活保護基準引き下げ」により何が変わる?→みんなが影響を受ける。 - Togetterのコメント欄で主にqquppa氏、及びhiandlow73氏の両氏と行った議論の後から振り返って気付いたことを記していく第二回。今回は主に現実面での問題を述べていく。なお、前編は【togetter生活保護論議反省記】生活保護議論に必要な社会契約の最低限の知識をお読みいただきたい。

 qquppa氏は、生活保護制度を施設収容の上刑務所レベルの衣食住を提供するのみの制度に変えるべきだと述べていた。その理由として氏は「生活保護制度として貧民救済施設を導入すれば、残りの8割の人も含めて困ったら誰でも申請・審査なしに利用できる」ということを述べていた。今現在の生活保護は審査が厳しすぎて困っている人すべてに行き渡らない、だが施設収容型保護にすれば審査をなくせるので今よりも広く行き渡る、そういう趣旨である。だが、これは間違いである。施設収容型保護は、衣食住の最低限も賄えない人以外には何らのメリットもない、利用する価値がない制度になるのだ。現在生活保護基準以下ながら生活保護を受けずに暮らしている人たちはそれが健康で文化的とは言えないながらも最低限の衣食住は何とかなっている。そうでなければ餓死している。それにある程度の自由も保持している。そんな人たちがあえて今までの生活を投げ捨てて施設に入ることで生活は改善されず、むしろ生活環境は悪化するだけである。そんな人たちがあえて施設収容型保護を受けるメリットなどどこにもない。ただ単に制度上誰でも受けられるというだけで何の支援にもならない。実質上現在の保護制度よりも高いハードルを課すだけの結果にしかならないのだ。また、施設収容型保護にすることで審査をなくせるからストレスフリーになるとしているが、施設収容そのものが重大なストレスとなり、現在の審査よりも高いハードルとなる。従って、施設収容型保護にすることで広く行き渡るようになるというのは誤りである。
 これは、広く生活保護基準引き下げ一般に対しても妥当する。確かに、生活保護基準引き下げによって一人当たりの予算額は少なくなり、同じ予算額でも多くの利用者にサービスを提供することができるようになる。だが、引き下げによって従来ならば生活保護対象だったのが引き下げ後は対象ではなくなる利用者もいるのだ。であるから、生活保護基準引き下げによって広く行き渡るようになるという結論を一律に導き出すことはできない。このような結論が導き出せるのは、生活保護に当てる予算が一定である場合で、生活保護基準引き下げによって新たに対象者でなくなる人の数よりも生活保護基準引き下げによって一人当たり予算が下がった結果として新たに受けられるようになった人の数が多い場合のみである。

 続いて、qquppa氏は、海外臓器移植に健康保険から給付が出ない、命のための給付すら出さなくていいのだから政府が何らかの給付をする義務は存在しないと主張する。だが、これも間違いである。健康保険制度で提供される医療は質が確保されたものでなければならない。質を確保できない医療に公的制度から給付を出すわけには行かないのだ。質を確保するために健康保険制度では数々の条件を設けている。その条件が療養担当規則や診療報酬点数表である。これらの条件に服することを承諾して指定を受けた医療機関である保険医療機関で医療を受けることを日本の公的医療保障制度では前提としている。医療機関と患者の契約によっていかようにも医療の内容が決められる自由診療とはこの点で異なるものがある。さて、このような枠組みで公的医療制度は医療を提供しているのであるが、外国での医療はどうか。まず保険医療機関指定は外国の医療機関に対してはできない。それは、保険医療機関指定は行政権の作用の一つであり、そして日本国政府の行政権の作動は日本国内に限られるからである。qquppa氏は外国政府が妨げないのだから給付をしない理由はないとしているが、日本国政府が日本国内並みに行政機関を設置し、行政権を発動し、そして法律を執行すればどこの国も内政干渉として問題視するのは火を見るより明らかである。従って、日本国政府が外国において日本国内並みの監督を行うことはできず、日本国内並みの質を確保することはできない。よって、質が確保できない医療となるのだからこれを給付の対象とすることはできないのだ。
 また、日本国政府が権利を確保すべきなのは原則的に日本国内に限られる。日本国外において行政サービスを提供する義務はないし、またしてはならないのだ。日本国憲法は日本国内においてのみ施行されており、日本国外では施行されていないことがこれを裏付けている。

 なお、氏は、生活困窮者に衣食住の自由を与えなかったとしてももともとそんな自由はなかったのだから衣食住の自由を奪ったことにはならないとしているが、そもそも生存権は政府の施策を受ける権利という趣旨を持つものであって、政府が施策を発動しないのならばこのような権利が奪われているということである。
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テーマ:生活保護 - ジャンル:政治・経済

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■まとめ【【togetter生活保護論】

 先週末から今週にかけて「生活保護基準引き下げ」により何が変わる?→みんなが影響を受ける。 - Togett

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ブログ名変えた(2011.4.24)。落ち着かないなあ。

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