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■驚き!現行民法より旧民法のほうが扶養義務は狭かった

 ちょっと好奇心がわいてきて1947年改正前の民法は扶養についてどう定めているか調べてみた。もちろん親族に生活保護を受けさせていた芸人さんが問題視されたことに触発されてである。参考にしたのは国立国会図書館デジタル化資料に収録されている「新体六法全書」(巌松堂書店)及び中野文庫に収録されている民法第四編である。
 さて、旧民法では誰が扶養義務者かについて三カ条の条文があった。一つは第747条、第790条、そしてもう一つは第945条である。各々引用しておく。

第七百四十七条 戸主ハ其家族ニ対シテ扶養ノ義務ヲ負フ

第七百九十条 夫婦ハ互ニ扶養ヲ為ス義務ヲ負フ

第九百五十四条 直系血族及ヒ兄弟姉妹ハ互ニ扶養ヲ為ス義務ヲ負フ
夫婦ノ一方ト他ノ一方ノ直系尊属ニシテ其家ニ在ル者トノ間亦同シ(引用は中野文庫収録のテキストによった)

 ちなみに現民法は次のように定めている。旧民法第790条の規定による扶養義務は現民法では協力扶助の義務となっている(第752条)がこの第752条も引用した。

 (同居、協力及び扶助の義務)
第七百五十二条  夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

 (扶養義務者)
第八百七十七条  直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2  家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3  前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

 見比べてもらえば簡単にわかるように、旧民法には直系血族及び兄弟姉妹以外の者に対して裁判所の判断によって扶養義務を負わせるという規定はなかったのだ。「あの」家制度の影響強い旧民法がである。現行民法はこれに比してかなり広範な扶養義務を負わせていることがおわかりになろう。もっとも「家」の中に在る配偶者の直系尊属に対しては扶養義務が設定されてはいたがそれにしても狭い。結婚した場合、夫か妻のどちらかの家に入ったわけだから、例えば夫が妻の親に対して扶養義務を負うのは妻の家に入った場合のみなのだ。それも妻の親、祖父祖母、曾祖父祖母…と直系のみ。これが現行民法では裁判所の判断如何では妻の親のみならず妻のおじおば、更には妻の甥姪まで扶養義務を負わせられるのだから現行民法の扶養義務の範囲の広さがわかろう。だからこそ直系血族や兄弟姉妹以外の扶養義務については裁判所も慎重な判断をしていて、めったなことがない限り扶養義務者としては指定しないのであるが、旧民法では逆立ちしても扶養義務を負わなかったことを考えるとそれでも広いと言えよう。これは私の感覚ではなく、1947年の民法改正を立案した政府側が実際に国会で答弁していることだ(1947年7月28日、衆議院司法委員会における佐藤政府委員の趣旨説明)。
 以前にも取り上げたが、某芸人さんが妻の親を扶養していなかったことについても問題視されかけたが、果たして旧民法ですら扶養義務を負わなかったことを考えればこれが適当なのか疑問が残る。
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テーマ:生活保護 - ジャンル:政治・経済

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