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■扶養義務ってどのくらいあるの?裁判所の判断は?

 親族が生活保護を受けていた芸能人について、扶養をしていなかったのはなぜだ、あれだけ高額所得があるのにと問題になっている。この扶養義務、民法877条以下に定められているものであるが、果たして裁判所は子が老親に対してどのくらいの扶養をすべきとしているのか。リーディングケースとなっている裁判例を紹介する。

 主文
本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。

 理由
一 抗告の趣旨及び理由
 別紙記載の通りである。
二 当裁判所の判断
 当裁判所も抗告人の申立を原審判主文記載のとおり正当として認容すべきものと判断するが、その理由は、次に付加するほか、原審判理由記載の判断説示と同一であるから、これを引用する。
 事件本人は、扶養を要する状態にあるが、本件は子の老親に対する扶養であるから、相手方の事件本人に対する扶養義務が生活扶助の義務としての性質をもち、相手方らの社会的地位、収入等相応の生活をした上で余力を生じた限度で分担すれば足りるものであることを考慮し、事件本人の生活費としては、生活保護法による最低生活の生活保護基準額を参考にするのが相当であり、これによれば原審判認定のとおり一ヵ月約一万八千五百円となる。
 よつて、原審判は相当であつて、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用を抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。
(大阪高裁昭和49年6月19日決定、家庭裁判月報27巻4号61頁)

 …と引用してきたがううーむ、抽象的なので一概にどこまで扶養義務があるか判断するのは難しい。ただどうやら親が生活保護を受けるほどの貧困状態にあるからと言って子も同程度の生活をしなければならないというわけでもなさそうだ。「社会的地位、収入等相応の生活」とはどの程度のことをさすのかあいまいではあるが、高所得だからと言って即扶養しなければならないというわけでもない気がする。
 なお、後年の事例には「医学教育を受けさせてもらい、これにより医師としてそれなりの社会的地位について活躍しており、通常かかる生計費の3倍を近い収入を得ているのであるから、他に特別の事情のない限り、扶養権利者の生活が、標準生計費により算出した生活費を超えている場合(倍額が限度であろう)においても、扶養義務があるとみるのが相当である」(広島家裁平成2年9月1日決定、家庭裁判月報43巻2号162頁)としたものもあるがこれは親に医大まで出させてもらってその結果高所得を得ているケースであり直ちに一般化はできないだろう。
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テーマ:生活保護 - ジャンル:政治・経済

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