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■京都府の児童ポルノ条例がいくらブラックホールと言っても限界はある

 てんたま氏によるサイト「天使行路」の中にある「京都の児童ポルノ規制を取材したら、条例は仮の姿でした」というページに京都府児童ポルノ規制条例案について京都府庁に問い合わせた記録が掲載されている。これによれば他府県にある児童ポルノも「たまたま他府県で所持しているだけという解釈の下取り締まれるかもしれない」との説を京都府職員が述べている。これを受けてtwitter上でちょっとした波紋が広がっているが、そうそう簡単に府境を越えて条例による取締りができるわけではない。少なくとも京都府宇治市と埼玉県草加市の解釈はそうだ。
 1999年に京都府宇治市で市の保有する個人データが流出するという事件が発生した。このとき宇治市は全てのデータの回収に成功はしたがあくまでも相手方が任意に協力したからで、条例などで強制的に回収に踏み切ることはできなかった。というのも条例というのは基本的にはそれぞれの自治体の区域内でのみ適用されるものだからだ。このケースを参考に個人情報保護条例を制定したのが埼玉県草加市だ。草加市個人情報保護条例は次のように定めている。

 (不正記録行為等の禁止等)
第13条 何人も、不正記録行為をしてはならない。
2 何人も、故意又は過失にかかわらず、不正記録媒体を譲り受け、所持し、若しくは第三者に譲り渡し、又は不正複写行為をしてはならない。
3 前2項の規定は、草加市外のすべての者にも適用する。
4 市長は、第1項又は第2項の規定に違反する行為をした者に対し、不正記録媒体の提出、不正複写行為の中止又は当該行為の中止を確保するために必要な措置を講ずることを命ずることができる。
 (罰則)
第46条 第13条第4項の規定による市長の命令に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
 (市外犯)
第52条 この条例は、草加市外において第46条から第50条までの罪を犯したすべての者にも適用する。
(なお、不正記録行為とは早い話が市のサーバなどから市と無関係の者が個人データを不正にコピーする行為、不正記録媒体とは不正に複写された個人データのことである)

 ちょっと見てもらえばわかるように、不正な情報を所持している者に対し首長が命令を下しそれに違反した者に罰則が適用されるというのは現在京都府が検討中の児童ポルノ規制条例とまったく同じ枠組みである。そしてわざわざ13条第3項で「草加市外のすべての者にも適用する」としている。これはもちろん条例というのは基本的に自治体の区域内でしか適用されないためにこのような規定を置き全国に適用しているのである。この規定を置くことによって初めて日本に滞在する者全てに対して草加市の保有する個人データを不正に所持してはならないと命ずることができるのである。
 もちろん京都府職員もこのことは知っているからちゃんと京都府に一切立ち入らない人間に対しては条例の適用は不可能と回答している。twitter上では「ブラックホール条例」「全国に適用される」と騒がれているがそれは過剰反応である。本気で区域外適用を狙うなら条例に府外犯処罰条項を盛り込む。児童ポルノ犯が京都府を通過してくれるなどと言う偶然に期待などしない。確かに厳密に言えば一時滞留者にも適用はされるだろうがなかなか適用は難しいのではないだろうか。もっとも東海道が通っているから他府県の人間の往来も多いので影響する範囲はかなり広いとは言えるのだが。
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テーマ:児童買春・児童ポルノ処罰法 - ジャンル:政治・経済

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