ヘッドライン

■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■てんかん発作で事故を起こした彼は障害年金は受けられなかった可能性大

 栃木県鹿沼市でてんかんを抱える者がクレーン車を運転中に発作を起こし、沿道の小学生を死亡させた事件についてthir氏が自らのブログ「Thirのノート」のなぜ彼はクレーンに乗らなくてはならなかったのかと言う記事で考察されている。その中で氏は次のように述べている。

それなら最後の砦、「障害年金」や「生活保護」を取得すればいい、となるが、障害年金の受給額は年間100万円程度であり、この程度では生活なんてとてもできやしない。生活保護に関しては、やはり「薬を~」という事実がある以上、ケースワーカーから就労を促されることになってしまう。様々な制度が存在しているのだが、「薬を~」レベルの人間というのは、全てにおいてつまはじきにされているのだ。だから、結局のところ、彼らは病気を持っている事実を隠して就労するしかないのである。

 ここで氏は障害年金なら受けられるかのような書きぶりだが、それは間違いで、実際は障害年金さえ受けられない。この記事に付されたはてなブックマークにも年金が受けられることを前提としたコメントがチラホラ見受けられるが、薬を飲めばコントロール可能な状態では年金は受けられない。障害年金の詳細な基準については社会保険庁通達「国民年金・厚生年金保険障害認定基準について」(昭和61年3月31日庁保発第15号各都道府県知事あて社会保険庁年金保険部長通知)にまとめられているのだが、この通達の中のてんかんの認定基準を引用してみる。この通達ではてんかんは「精神の障害」として分類されている。

(1) てんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類てんかん発作などに分類されるが、具体的に出現する臨床症状は多彩である。
 また、発作頻度に関しても、薬物療法によって完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまで様々である。
 さらに、てんかん発作は、その重症度や発作頻度以外に、発作間欠期においても、それに起因する様々な程度の精神神経症状や認知障害などが、稀ならず出現することに留意する必要がある。
(2) 各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

障害の程度
障害の状態
1級
十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の介護が必要なもの
2級
十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの
(注1)発作のタイプは以下の通り
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
(注2)てんかんは、発作と精神神経症状及び認知障害が相まって出現することに留意が必要。また、精神神経症状及び認知障害については、前記「B 症状性を含む器質性精神障害」に準じて認定すること。
(3) てんかんの認定に当たっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定する。
様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
(4) てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象にならない。〔下線は引用者において付した〕

 下線部にあるように、薬を飲めば何とかなるような程度の状態では障害年金は受けられないのだ。なお、障害者手帳の基準については福島県のサイトにもあるが、「長期間の薬物治療下における状態で認定することを原則とする」とあり、つまり薬を飲んでどうにかなる状態の者は手帳の対象でもないのだ。
 結局、薬を飲めば何とかと言う状態では使える社会資源はせいぜいが自立支援医療ぐらいしかない。医療費が公費負担されるという制度だから生活の足しになるわけがない。どうにかして就労するほかなかったのだ。かといって就労は極めて不利だ。極めて苦しい立場にあったのは間違いない。もちろん彼が治療遵守不良であったことは責められなければならないのは言うまでもないことではあるが。

追記
 年金の基準はあくまでも心身機能によってのみ定められる。いくら社会的に不利な状態におかれたてんかん患者であっても年金制度上は障害認定されないのに対してペースメーカーを入れるといきなり厚生3級に認定されたりする。例え本人が国体選手として活躍しようとペースメーカーを入れている限り3級である。社会参加上の不利を考慮に入れないからこのようなことになるのだがなんか妙である。
スポンサーサイト

テーマ:障害年金について - ジャンル:福祉・ボランティア

プロフィール

資料屋

Author:資料屋
ブログ名変えた(2011.4.24)。落ち着かないなあ。

月別アーカイブ

FC2カウンター

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。