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■水間氏は「日本の幼児死亡率世界最悪」というが幼児死亡率を国際比較したら日本は先進国最悪ですらなかった

 水間政憲氏が「日本の1歳から4歳までの幼児死亡率が世界最悪なのは中国産のベビーフードに含まれる鉛が原因」という説を唱えていらっしゃる。下の動画である。

 しかし、WHOのデータベースで実際に各国の幼児死亡数を調べてみたところ、日本の幼児死亡数は世界最悪ではない。それどころか先進国最悪ですらない。次の表をご覧いただきたい。なお、以下の表に収載したのは2003年以降のデータがあり、かつ総人口が50万人以上の国と地域のデータである。いずれの国と地域のデータもWHOのデータベースに収載されている最新年のものである。
各国・地域の幼児死亡数、幼児人口、幼児人口1000人当たり幼児死亡率
国名統計年幼児死亡数幼児人口幼児死亡率
南アフリカ200515,4354,186,9613.69
グアテマラ20044,2061,584,3822.65
アゼルバイジャン2004870445,7001.95
キルギスタン2006661405,5651.63
ウズベキスタン20053,0012,036,2151.47
エクアドル20051,4311,147,1351.25
パナマ2004320272,5491.17
アルバニア2004237203,6251.16
カザフスタン20061,140983,4661.16
ガイアナ20056862,3571.09
パラグアイ2004454578,3660.78
メキシコ20056,4488,404,9320.77
ウクライナ20051,1791,562,3040.75
ベネズエラ 20051,6942,279,5580.74
ブルガリア2004192267,2330.72
コロンビア20052,5233,587,5570.7
ロシア連邦20063,9685,673,9930.7
ブラジル20049,46814,330,7390.66
モーリシャス20054874,6100.64
エルサルバドル2005378623,2720.61
モルドバ200685145,7670.58
アルゼンチン20051,5332,679,3950.57
ルーマニア2007472849,6660.56
ベラルーシ2003198365,0350.54
ウルグアイ2004109207,8770.52
エストニア20052451,7690.46
マケドニア20034398,3310.44
リトアニア200652120,6960.43
ラトビア20063581,7990.43
アルメニア200363153,2570.41
キューバ2005219537,8540.41
レユニオン20052157,9320.36
スロバキア200573206,0330.35
チリ2005339985,2930.34
キプロス20061132,3460.34
コスタリカ2005106314,3940.34
ハンガリー2005123383,0010.32
セルビア200693308,6700.3
アメリカ合衆国20054,75616,197,0970.29
ポルトガル2003128445,4460.29
韓国20065471,953,7710.28
ポーランド20063881,417,4590.27
イスラエル2004151555,2800.27
オーストラリア20032711,018,2440.27
日本20061,0764,377,0000.25
ニュージーランド200455226,7200.24
クロアチア200639163,3960.24
イギリス20066312,764,6740.23
スペイン20053801,747,7890.22
スウェーデン200583389,6290.21
オランダ2006168791,7420.21
カナダ20042861,368,5260.21
香港200634170,4000.2
フランス20056023,067,8320.2
プエルトリコ200541213,8340.19
スイス200555292,4350.19
チェコ共和国200569372,3360.19
イタリア20033892,130,2800.18
ドイツ20065282,894,1320.18
ノルウェー200542231,2480.18
ギリシャ200662419,9680.15
アイルランド200633241,1760.14
フィンランド200627228,2770.12
シンガポール200617161,2000.11
出典:WHO Mortality Database
 日本の幼児死亡率は世界最悪ではなく、それどころか先進国最悪ですらないことがお分かりいただけるだろう。アメリカ、ポルトガル、韓国、イスラエル、オーストラリアに次いで6位となっている。なお、先進国間で有意差が見られるかの検定も行った。対象とした先進国はアメリカ、ポルトガル、韓国、イスラエル、オーストラリア、日本、ニュージーランド、イギリス、スペイン、スウェーデン、オランダ、カナダ、香港、フランス、スイス、イタリア、ドイツ、ノルウェー、ギリシャ、アイルランド、フィンランド、シンガポールの22ヶ国・地域である。検定は青木繁伸氏のサイトにあるライアン法、テューキー法によって行った。
 結果はシンガポール、フィンランド、アイルランド、ギリシャの各国とアメリカ、ポルトガル、韓国、イスラエル、オーストラリア、日本の各国に有意差が見られた。それ以外については有意差がある可能性もあるがたまたま差が付いた可能性も否定できないということである。何のことはない、日本の幼児死亡率が高いとは言い切れないのだ。確かにフィンランドやシンガポールなんかよりは高いとは言えるのだが。
 しかしなのである。いわゆる「ネットde真実」な方々は次から次へと調べもせずデマを拡散される。少しは自分で調べるというくせを身に付けてほしいものだ。この程度のデータの調べ方なら国会図書館のリサーチ・ナビに載っている。面倒ならばご自分の自治体の公立図書館にレファレンスのお申し込みをされたし。レファレンスの申し込みを受けた図書館の司書がきちんと調査して回答してくれる。その図書館では解決できなければ都道府県立図書館、さらには国会図書館にまで調査依頼を行って利用者の依頼に応えるべく努力している。こういうサービスを使えばデタラメ情報に引っかかる可能性はそんなに高くない。

〔2011.3.6訂正〕
 人口1000対で計算したものを人口10万対と表してしまいました。ここにお詫びして訂正させていただきます。なお検定は人口と死亡数によって行っておりますのでこれによって結果は変わりません。
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