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■殺されたこどもの数の国際比較

 WHO(世界保健機関)がまとめている国・地域別の死因別の死者数のデータから14歳以下の他殺死亡者数のデータを抜き出してみた。また、14歳以下の人口のデータも抜き出した。これらをもとに国・地域別の14歳以下の者の他殺死亡率も算出した。なお、あまり人口が少なかったりするとわずかな差が率としてはとても大きなものになることを考慮して総人口が50万人以下の国・地域のデータは収録しなかった。同様に、あまり古いデータは価値が低いと判断し、2002年以前のデータしかWHOのデータベースに収録されていない国・地域のデータも割愛した。なお、国・地域によって何年のデータかはそれぞれ違う。WHOのデータベースに収録されている最新の年のデータを用いた。この方針は前にやった殺された人の数の国際比較とほとんど同じである。違うのは今回は海外領土などで別掲されている地域のデータも収録したことである。抜き出した結果をまとめたのは以下の表になる。今回はグラフはつけない。
14歳以下他殺死亡者数及び他殺死亡率(人口10万対)の国別比較
国・地域統計年他殺死者数人口他殺死亡率
エルサルバドル2005592,272,8742.60
コロンビア200528413,622,0962.08
モーリシャス20056292,3442.05
アメリカ合衆国20051,01060,700,2601.66
ベネズエラ20051318,371,0391.56
ロシア連邦200631821,062,5821.51
ブラジル200478051,799,5011.51
グアテマラ2004805,377,7151.49
エクアドル2005624,259,4361.46
レユニオン20053210,4061.43
ウルグアイ200411797,8621.38
メキシコ200543232,068,7021.35
スイス2005161,199,3631.33
ラトビア20064323,5051.24
パナマ200411973,2011.13
ニュージーランド20049893,0501.01
エストニア20052205,2730.97
ウクライナ2005646,877,2430.93
コスタリカ2005111,227,0250.90
ガイアナ20052230,2180.87
カザフスタン2006313,686,1290.84
プエルトリコ20057866,0980.81
オーストリア2006101,303,9070.77
モルドバ共和国20065653,7170.76
パラグアイ2004162,102,4980.76
リトアニア20064549,2580.73
アルゼンチン20057410,236,8420.72
キューバ2005152,165,0590.69
オーストラリア2003273,981,5380.68
韓国2006619,128,3800.67
ハンガリー2005101,566,5660.64
イスラエル2004121,930,2380.62
南アフリカ20059215,395,8480.60
カナダ2004315,746,4960.54
日本20068817,282,0000.51
ベラルーシ200381,632,7940.49
マケドニア20032419,9290.48
アルバニア20044841,1680.48
チリ2005194,054,0850.47
キルギスタン200671,587,2440.44
ポルトガル200371,648,9960.42
アルメニア20033737,7930.41
フランス20054511,234,4290.40
ドイツ20064611,691,3220.39
スロバキア20053894,3080.34
ルーマニア2007113,288,4390.33
フィンランド20063904,0470.33
ウズベキスタン2005258,642,6760.29
ブルガリア200431,089,4870.28
ポーランド2006166,104,6430.26
セルビア200631,157,6130.26
イタリア2003198,169,2470.23
アイルランド20062864,4490.23
スペイン2005106,291,0770.16
クロアチア20061697,7180.14
スウェーデン200521,572,1790.13
ギリシャ200621,595,0440.13
イギリス20061110,737,4060.10
アゼルバイジャン200422,149,9000.09
チェコ共和国200511,514,0130.07
キプロス20060138,3570
ノルウェー20050908,0880
シンガポール20060698,3000
スロベニア 20060281,4610
資料:WHO

 見方について一つ注意。14歳以下人口が少ない国・地域の場合、1人2人の違いが率としては大きな違いに見えてしまう。このことを踏まえてほしい。その上でこの表を見ると日本の14歳以下の他殺死亡者数はそんなに少ないともいえないがかといって多いとも言えないことがわかる。世界的に見て日本のこどもは殺されやすいのではないかと不安になっている方はとりあえずこの表を見て落ち着いてほしい。しかし、全年齢で見れば日本の他殺死亡者数は極端に少ないほうなのにこどもの他殺死亡者はそれほど少ないわけでもないということに疑問は残る。これは基準人口が少ないのでたまたま起きたちょっとした実数のブレが大きな率の違いに見えてくるとも言えるかもしれないが、それにしてもフランスやドイツは日本より少ない。全年齢で見れば他殺死亡者が多くてもこどもの他殺死者は少ないという国も結構多い。日本は大人もこどもも大体同じくらいの他殺死亡率である。

〔2011.3.4追記〕
 本当に差があると言えるかどうかを確かめるためには検定ってものを行わなければならない。で、青木繁伸氏のサイトを参考に先進国の数値をテューキーの方法にて検定してみた。なお、先進国はアメリカ合衆国、スイス、オーストリア、オーストラリア、韓国、カナダ、日本、イスラエル、フランス、ドイツ、フィンランド、ニュージーランド、イタリア、アイルランド、スペイン、スウェーデン、ギリシャ、イギリス、ノルウェー、シンガポールとした。結果、有意差が見られたのは以下の通りである。

アメリカ合衆国と有意差が認められた国
 オーストラリア、韓国、カナダ、日本、イスラエル、フランス、ドイツ、フィンランド、イタリア、アイルランド、スペイン、スウェーデン、ギリシャ、イギリス、ノルウェー、シンガポール
スイスと有意差が認められた国
 イタリア、アイルランド、スペイン、スウェーデン、ギリシャ、イギリス、ノルウェー、シンガポール

 よって、日本のこどもの殺人死亡率が高いと言ってもたまたまである可能性は否定できないという結論になった。しかし、アメリカ合衆国より低いとは言える。なんか煮え切らない結論ではあるが、統計とはこういう煮え切らないものだったりする。間違いがありましたら素人にもわかりやすく突っ込んでください。何しろ数学は忘却のかなたに追いやってしまったので。
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