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■信仰と親子関係の折り合いについて-その3

にっし~氏が前回の記事に対して反論(はてな版はこちら)してきている。そこで私も再反論を行う。
ただし、彼の論は本来違っている性質のものを一緒くたにしている部分があるので、これらの腑分けも行う。

先んじて結論を言っておけば、親は自らの信じる宗教を教育する自由はある、されど押し付ける自由はない。
また、学校教育では子の意志に反しても押し付けられるではないか、宗教教育も同じだというのも的外れである。

さて、親が自らの信じる宗教を教える自由は当然ある。そして、子はそれを受け入れるか否かを選ぶ自由がある。
この二つの自由は本来は両立する。
子が親の教育を好んで受け入れているのならそもそも自由の侵害ですらない。
あくまでもの自己決定の結果に過ぎない。
早い話、親の意思を子に強いていない限り、そもそも信教の自由の侵害とは言えない。
問題なのは、子の意思に反して親の意思を強いる事がどこまで許されるかである。
ここで初めて子の最善の利益だの保護の必要性だのを検討することになる。ちなみに、ここで強いる必要性の根拠として親の信教の自由を持ち出すことは許されない。
子を勝手に教団に入会させるのは親権の濫用だという話はこの段階での議論になる。
また、そもそもどこからが親の意思を強いていることになるのかという問題もある。
それぞれなかなか線引きは難しいのだが、総論としてはこういう流れになる。
そして、親の信教の自由を根拠に子を入会させるのは不当な制約に当たるのであるから無効だというのが私の結論だ。
親の自己決定の結果を子の 自己決定の結果と擬制するのは親の意思を強いていることになるわけだし、しかも強いる根拠が「親の信教の自由」。まさしく濫用と言うべき事例である。
いくら重要な権利と言えども、他人の権利を侵害するような行為まで保障するものではないのである。

教育で認められることは親の信教の自由のためにも認められるとしているのも大問題。
教育というのはもっぱら子の利益のために行われるべきものなのだ。決して教育を施す側の支配的権能ではない。
で、義務教育では親の裁量が認められるではないか、だから宗教教育にも同じだけの自由をというのは少し鈍感すぎる。
そもそも、義務教育にあっては基本的には親と学校との関係となるのだ。子と教団との関係を取り結ぶことの正当化の根拠として使うのは失当。
それはさておき、子が学校教育を受ける権利を確実に保障せねばならないというのが一つ。
さらに、親の教育の自由すら道を譲らなければならないのだ。
学校教育法では、一定の年齢の子を就学させる義務を課している(第22条、39条)。しかも、子が就学すべき学校を選択する権限は市町村教委にある(同法施行令第5条)。確かに、保護者の申し立てにより学校を変更することも可能ではあるが、しかし結局は市町村教委の決定を待たざるを得ない(施行令第8条)。国立または私立の学校へ就学を許可されれば市町村教委の指定から逃れられる(施行令第9条)が、あくまでもこれは例外だ。
こうして見てくると、学校教育に関しては親の専横を容認するどころかむしろその逆であることが見て取れる。
すなわち、親の方針いかんに関わらず一定の教育を受けさせねばならない。親に拒否権はない。
それも、親に委ねるよりも学校が教育したほうが子の利益になるという理由からだ。
このことは、親の信仰によって子を就学させないというような場面を想定すればくっきりと見て取れる。
うーん、宗教教育でもこれと同じようにしろと。歯止めのない国家介入…それはそれでオウム真理教みたいな連中が子に刷り込みを施す可能性がある現状よりもいいかも(しかし、決して許されないことである)。
参考文献
中川明「宗教と子どもたちを考える視点」(明石書店『子どもの人権双書11 宗教と子どもたち』所収)
森田明「未成年者保護法と現代社会―保護と自律のあいだ―」有斐閣
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