■2015年12月
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■「生活必需品」の定義ができない以上、公明党が消費税軽減税率で狙う理想は実現せず、消費税の逆進性はそのまま

 まずは、次の表をごらんいただきたい。この表は、消費税に軽減税率を導入した際の年収別の消費税負担率を示した表である。導入品目をいくつか想定してパターン別に示した。なお、この数字は単身世帯も含めた勤労者世帯の表である。負担率の単位はパーミルで示してあるので、単位には注意いただきたい。
年収軽減税率なし生鮮食品外食・飲料を除く食品与党合意案
200万円未満112.54110.84109.09107.19
200万円~300万円76.6375.5974.5273.13
300万円~400万円66.4465.4764.5063.28
400万円~500万円62.1061.2060.3659.21
500万円~600万円55.5554.6453.8652.93
600万円~800万円50.6649.8749.1848.38
800万円~1000万円46.6745.9645.3744.70
1000万円~1250万円42.6942.0641.5440.96
1250万円~1500万円40.8840.3239.8539.27
1500万円~32.6632.1931.8031.33
資料:総務省統計局「平成21年全国消費実態調査」を基に筆者計算。

 この表を見てもらうとわかるように、軽減税率の品目をどういじってみても、低所得者ほど年収に対する負担率が高くなる「逆進性」は解消しないことになる。確かに低所得者ほど税の軽減率は高くはなるのだが、それでも焼け石に水である。
 どうしてこのような結果になるかといえば、なにをもって「生活必需品」とするかの定義が絶対にできないからである。食品に限定したところで、高所得者はより高価格の商品を買ったりより多くの量の消費を行うわけで、その分まで税率が軽減されることになるわけだ。一方、低所得者だって食品以外の品物を購入するわけで、それらは通常の税率になるので負担は大きくなる。公明党が言う「生きるために必要な品物には税を軽減することで低所得者対策」という理想は美しいが、その理想を実現するには「生きるために必要な品物」を確実に区分けできなければならない。区分けができなければ、低所得者対策としてはとても弱いものになり、高所得者へ大きな利益を及ぼすことになるのだ。結局のところ、軽減税率で低所得者対策とするのは、予算をかける割には低所得者が得るものは少ない。公明党の山口代表は「軽減税率は「給付」に勝る」と述べているが、しかし、低所得者が実際に得られる金額を考えれば、一概にそのようなことも言えない。
 結局のところ、公明党が言っている軽減税率導入論は、まやかしでしかないのである。
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■選択的夫婦別姓、どちらかが姓を変えなければならない現行制度が存続しても痛くも痒くもない人が反対しているだけ

 内閣府の「家族の法制に関する世論調査」によると、選択的夫婦別姓について「婚姻をする以上,夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきであり,現在の法律を改める必要はない」との選択肢を選んだのは老人層と男性が多かった。次のグラフのとおりだ。
夫婦別姓
 いまさら姓を変えることの手間もないような老人層と、どうせ姓を変えなくてすむ男性(婚姻によって姓を変えるのは9割以上が妻の側)が選択的夫婦別姓に反対しているものの割合が多い。わかりやすいね。

(大暴論)
 結婚したらどちらかが姓を変えるべきと考えている人の割合は男性のほうが多いのだから、いっそのこと結婚したら男性が姓を改めるような法制度にしたらいいんですよ。多数の意見に従うってのはそういうこと。

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■自衛隊の競争率が7倍あろうと、そんなことは経済的徴兵制を否定する材料にならない

 いわゆる「経済的徴兵制」を否定する論者の主要な根拠のひとつに、「日本の自衛隊の競争倍率は7倍もある、優秀な選ばれた者が入隊している」というものがある。布施祐仁氏、経済的徴兵制について語る - Togetterまとめのコメント欄にもそんな論者がウヨウヨ湧いている。だが、そんなものは「経済的徴兵制」を否定する論拠になどなりはしない。「低所得層の優秀な若者」が自衛隊以外に道がないから自衛隊を志願している可能性があるからだ。そして、それは割と可能性が高いと思われる。次の画像をご覧いただきたい。
学生への経済的支援に関する検討会報告
(文部科学省学生への経済的支援の在り方に関する検討会報告「学生への経済的支援の在り方について」より引用)
 「長崎県の公私立高校の生徒で、旧帝国大学レベルの大学に進学できる者のうち、主に家計の困窮によって大学への進学そのものを断念した/するかもしれない生徒は3%」だというし、成績上位であっても所得が低くなればなるほど大学進学率が低くなるというデータも示されている。
 これを見れば、もはや「競争率7倍」は「経済的徴兵制」を否定する材料にはなりえない。

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■収入を妻に頼り、仕事をしない夫が「専業主夫」ではなく「ヒモ」と言われるたった一つの理由

 手っ取り早く結論だけを述べる。要するに、夫は仕事をしていなくても家事・育児・介護をしないのだ。総務省統計局の社会生活基本調査(平成23年)のデータより、末子が就学前の子である夫婦の夫と妻の家事・育児・買い物・介護に費やす平均時間をグラフにした。
夫妻の平均家事時間
 衝撃的なのは、フルタイムで働く妻よりも仕事をしていない夫のほうが家事・育児・介護・買い物に費やす時間が短いことである。夫は何をやっているんだか。無償労働のかなりの部分を妻に押し付け、結果として高い所得を得たことを「自分の実力だ」などとほざく夫は一体何様だろうかと。男性ももっと家事をしましょう。

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ブログ名変えた(2011.4.24)。落ち着かないなあ。

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