■2011年08月
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■花王製品で健康被害が出たという(多分)嘘を書く花王不買クレーマーと著名人の名前を勝手に使う大バカの姿

 今回の記事は二つのネタを同時に扱うごった煮的記事である。
 まず一点目。俳優の高岡蒼甫氏がtwitterで「フジテレビは韓流を猛プッシュしている、いかがなものか」という趣旨の批判をしたために事務所を解雇された。それに反応してフジテレビ、さらにはフジのスポンサーである花王への抗議が主に2ちゃんねる「既婚女性板」を中心にして行われている。特に花王への抗議活動はエスカレートし、不買運動にまで進んでいる。この不買運動の一環なんだかどうだかでAmazonの花王製品のレビューが炎上している。曰く「キムチのにおいがする」曰く「ぜんぜんきれいにならない」などと。こんなことを煽動しているのはもちろん2ちゃんねる既婚女性板への書き込み主である。書き込み主たちは個人の感想を書いただけだからなんら法的問題はないなどと強気でいるが、明らかに違法性を問われかねないコメントもある。以下に紹介しよう。いずれも花王製品を使用したところ健康被害が発生し医師の診療を受けたという趣旨である。

・ユーザー名「# "#"」氏のレビュー(web魚拓のものである)
 花王製品を使用したところ健康被害が生じたとのレビューを8月2日に複数投稿している。もちろん複数の製品に対してである。しかも一つの商品については医師の診療を受け診断書まで出ているというレビューを投稿している。同日に複数の製品について使ったところ健康被害が生じたなどというレビューを投稿するのは明らかに不自然で、嘘である可能性が高い。

・ユーザー名「もも」氏のレビュー(web魚拓のものである)
 こちらも同じように8月2日に花王製品によって健康被害が発生したとのレビューを複数投稿している。そのうち一件については医師の診療を受けたとのことである。こちらもまた嘘であることが強く推認される。

 さて、この2件とも共通するのは医師の診療を受けるほどの健康被害を受けたと書いていることである。医師の診療を受けたというのはもう単なる個人の感想を超えている。明らかに客観的に嘘か真かが判明する事実である。花王にとってこれほどやりやすい事案も他になかろう。医療機関のカルテを見て受診した事実がなければ虚偽の風説を流布したとして違法性が問われるわけだ。個人の感想という弁解は通らない。警察に踏み込まれれば震えながらどこの医師の診療を受けたのか答えることになろう。もちろん真実なら逆に花王が追い詰められることになるわけだがそれはまずないだろう。花王にはぜひがんばってこいつらを訴えていただきたい。感覚が麻痺したアホウは少し痛い目にあってもらわないと反省しないだろうから。

 2点目。チーム関西の川東大了が新しい団体を立ち上げた。「韓国軍「ライタイハン」問題の早期解決を求める請願署名実行委員会」(web魚拓のものである)というのがそれである。問題なのは「関連団体」「賛同者」のところに勝手に著名人や著名団体の名を記しているところである。なお、すでに名を勝手に使われた団体の一つである日本ベトナム友好協会大阪府連合会は名誉毀損だとして抗議声明を出している。こちらも勝手に名前を使われた団体・個人から訴訟を起こされる可能性は大きい。しかも掲げている団体・個人の数がかなり多いことから相当数の件数を抱えることになることが予想される。川東はどうするのだろうか。そして川東が所属する在特会はどうするのだろうか。訴訟費用だけでまるでざるに水を入れたかのように資金が消え去ることが予想される。その後の賠償まで考え合わせればとても抱えきれるものではないだろう。どのように対処するのか注目に値する。

参考
刑法
(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条  虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

最高裁判例(平成15・3・11刑集57巻3号29頁)

 1 原判決の是認する第1審判決の認定によると,被告人は,コンビニエンスストアで買った紙パック入りオレンジジュースに次亜塩素酸イオン等を成分とする家庭用洗剤を注入した上,警察官に対して,上記コンビニエンスストアで買った紙パック入りオレンジジュースに異物が混入していた旨虚偽の申告をし,警察職員からその旨の発表を受けた報道機関をして,上記コンビニエンスストアで異物の混入されたオレンジジュースが陳列,販売されていたことを報道させたというのである。
 そうすると,被告人は,粗悪な商品を販売しているという虚偽の風説を流布して,上記コンビニエンスストアが販売する商品の品質に対する社会的な信頼を毀損したというべきところ,原判決は,刑法233条にいう「信用」には,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼のほか,販売する商品の品質等に対する社会的な信頼が含まれるとして,被告人の上記行為につき同条が定める信用毀損罪の成立を認めた。
 2 所論引用の大審院の判例のうち,大審院大正5年(れ)第2605号同年12月18日判決・刑録22輯1909頁及び大審院昭和8年(れ)第75号同年4月12日判決・刑集12巻5号413頁は,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼を毀損しない限り,信用毀損罪は成立しないとしたものであるから,原判決は,上記大審院の各判例と相反する判断をしたものといわなければならない。
 しかし,【要旨】刑法233条が定める信用毀損罪は,経済的な側面における人の社会的な評価を保護するものであり,同条にいう「信用」は,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼に限定されるべきものではなく,販売される商品の品質に対する社会的な信頼も含むと解するのが相当であるから,これと異なる上記大審院の各判例は,いずれもこれを変更し,原判決を維持すべきである。

 花王製品へのレビューと大変よく似た事例であることがわかる。まあせいぜい反省してくださいな。
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■障碍者・子と比べると老人って結構恵まれてるなあ(社会保障費の配分が)

老人・障碍者・子のそれぞれの人口
・老人(65歳以上)の人口(2008年) 29,005,000人(総務省統計局「人口推計」による)
・障碍者の数
 身体障害者手帳交付数 5,031,683人
 療育手帳交付数 785,720人
以上二つは厚生労働省「平成20年福祉行政報告例」によった。
 精神障害者保健福祉手帳交付数(2008年度末) 561,445人
厚生労働省「平成20年衛生行政報告例」による。
 合計 6,378,848人
・18歳未満人口 21,835,000人(総務省統計局「人口推計」平成20年10月1日現在による)

老人・障碍者・子それぞれに割り当てられている社会保障費(国立社会保障・人口問題研究所「平成20年度社会保障給付費」による)
・高齢 47兆2649億3400万円(老人一人当たり 162万9544円)
・障碍 2兆9720億0400万円(障碍者一人当たり 46万5915円)
・家族(児童のいる家族等に支給される給付のこと。児童福祉サービスも含まれる) 3兆2042億7200万円(子一人当たり14万6749円)

 現在子ども手当がバラマキバラマキと非難されているがそうでもないんじゃないかなというのが率直な感想である。現在の社会保障はあまりにも老人に偏りすぎている。高額の所得を持つ老人に給付するのがバラマキでなく高額所得を持つ子育て世帯への子ども手当がバラマキってのもあまりにもご都合主義だ。えっ、老人は保険料払ってきたからその対価だって?いつから社会保障が貯蓄商品になったのだろうか。社会保障は必要なところに給付するというのが大原則。これは健康保険を考えてもらえば簡単にわかる。いくら高額の保険料を払っていようと病気にならなければ一銭も給付は受けられない。一方少額の保険料しか払っていなくても重病なら高額の給付が受けられる。よしんば正当な対価を受け取っているだけだという主張を通すにしてもだったら子についても保険制度を整えればいいだけである。
 なお付記しておくがもちろん老人への給付は必要だ。でもそれと同じように子への給付も必要なのではないか。どちらも独力で稼げないのは同じだ。子には家族がいる?だから不要?老人にも家族はいないのですか?いるでしょう?だったら子と同じように給付は不要ですよね?

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■池田大作の顕彰集計表・2010年聖教掲載分

 2010年中に聖教新聞に掲載された池田大作が受けた顕彰をいろいろ集計してみた。集計表は以下のとおり。
凡例
1.地域区分は概ね外務省のものに従った。
2.先進国、途上国の区分はCIA「The World Factbook」によった。なお、「地域」とは香港、マカオなど一定の独立性はあるが国家として完全に独立していない地域を総称したものである。ただし台湾は先進国として扱っている。
3.地方政府立大学とは州、県、市などが維持管理する大学、国立大学とは中央政府が維持管理する大学である。この両者の区分は資料の限界から厳密には行えていないことをご了解いただきたい。

表1 聖教掲載月と受賞年月
聖教掲載月受賞年月
受賞年月不明2009年2010年合計
12月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
1月73110000000000021
2月10182000000000021
3月0018700000000016
4月100112130000000027
5月30000321000000027
6月20000111600000020
7月0000000680000014
8月00000000146000020
9月0000000046800018
10月30000000004140021
11月0000000000083011
12月00000000001481932
合計173301119173212261213261119248
表2-1 地域別・先進国・途上国の別授与顕彰
授与顕彰アジアアフリカヨーロッパ
先進国地域途上国途上国先進国途上国
名誉教授2016180000
名誉博士20350011
記念日10010000
記念碑00000000
勲章00001000
地名00000000
名誉住民50050101
感謝状4110420000
顕彰状10010000
その他の称号919190123
合計61228911235
表2-2 地域別・先進国・途上国の別授与顕彰
授与顕彰オセアニア中米南アメリカ北アメリカ地域計
先進国途上国途上国先進国地域先進国地域途上国合計
名誉教授002011211821
名誉博士00430350813
記念日00013215142016
記念碑0014044015
勲章0000000011
地名0003143104
名誉住民00119019250126
感謝状00120004111254
顕彰状0031191202013152
その他の称号1119121132323156
合計1170736791378103248
表3-1 地域別・先進国・途上国の別顕彰を授与した機関
授与機関種別アジアアフリカオセアニア中米南アメリカ
先進国地域途上国途上国先進国途上国途上国
国立大学1407210006
地方政府立大学0111120000
私立大学1701180005
主体不明の大学00110000
学術機関00220012
大学以外の学校1000100107
中央政府10011000
国会00000000
国会議員00000000
国会議員団体00000001
地方政府800800017
地方議会200200019
地方議員00000000
団体6151200011
企業10120000
その他の機関20020002
合計612289111170
表3-2 地域別・先進国・途上国の別顕彰を授与した機関
授与機関種別ヨーロッパ北アメリカ地域計
先進国途上国先進国地域先進国地域途上国合計
国立大学0000001401327
地方政府立大学000516521118
私立大学000101180624
主体不明の大学0001011012
学術機関0110000066
大学以外の学校000202130720
中央政府0000001012
国会0001011001
国会議員0002022002
国会議員団体0000000011
地方政府202493525931779
地方議会000718911929
地方議員0001011001
団体022314921829
企業0000001012
その他の機関0001013025
合計235736791378103248
表4-1 国別授与顕彰の種類(授与数上位10ヶ国 - 1/2)
授与顕彰アメリカ合衆国台湾ブラジル中国ボリビア韓国
名誉教授0211300
名誉博士212001
記念日1310000
記念碑400010
勲章000000
地名300000
名誉住民1921003
感謝状0360080
顕彰状19129000
その他の称号12310464
合計72464317158
表4-2 国別授与顕彰の種類(授与数上位10ヶ国 - 2/2)
授与顕彰グアム日本アルゼンチンフィリピンその他の国合計
名誉教授1001321
名誉博士0001613
記念日2000016
記念碑000005
勲章000011
地名100004
名誉住民0000126
感謝状0510454
顕彰状1010152
その他の称号11221156
合計664427248
表5-1 授与機関・国別顕彰授与数(授与数上位10ヶ国 - 1/2)
授与機関種別アメリカ合衆国台湾ブラジル中国ボリビア韓国
国立大学0142320
地方政府立大学4001100
私立大学1162001
主体不明の大学100000
学術機関001100
大学以外の学校2100070
中央政府010000
国会100000
国会議員200000
国会議員団体001000
地方政府4937055
地方議会7019002
地方議員100000
団体3010110
企業000100
その他の機関121000
合計72464317158
表5-2 授与機関・国別顕彰授与数(授与数上位10ヶ国 - 2/2)
授与機関種別グアム日本アルゼンチンフィリピンその他の国合計
国立大学0002427
地方政府立大学1000218
私立大学0001324
主体不明の大学000012
学術機関001036
大学以外の学校0000120
中央政府000012
国会000001
国会議員000002
国会議員団体000001
地方政府3030479
地方議会1000029
地方議員000001
団体1501729
企業010002
その他の機関000015
合計664427248

 こうして集計表を見てみるといろいろ勘繰りたくなる事柄が結構ある。世界から認められているという割には2010年中に掲載された顕彰の89.11%までが上位10ヶ国からのものだったりする。また先進国と途上国それぞれからの受賞数は先進国のほうが多くなっているが先進国からもらった顕彰137件のうち118件はアメリカ合衆国と台湾に集中している。世界から認められているという割にはずいぶん偏っている。

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■行動界隈、とうとう「警察白書」デビュー

 先だって公表された平成23年版「警察白書」で行動界隈がついに「警察白書」デビューを果たしてしまった。ただしそれほど派手派手しく扱われているわけではないのではあるが。行動界隈が掲載されたのは第四章「公安の維持と災害対策」の第3節「公安情勢と諸対策」にある「3 右翼の動向と対策」というセクションである。このセクションの基本的な書き方は昨年版警察白書と同じである。まず「右翼の動向」で右翼の活動状況、右翼関係事件の傾向等を記述し、右翼がどれくらいの人数を動員したかを示す表や右翼関係事件の数の推移を表すグラフ、右翼関係事件の検挙状況の表を掲載している。次の節で右翼対策を記述している。テロ等を防ぐために各種法令を適用して徹底検挙に勤めているなどとの記述があり、最後に街宣対策として街宣活動に対してもさまざまな法令を適用して取り締まっていると記述している。
 今回行動界隈について記述されたのは右翼の動向を記述した節で、次のように記述されている。以下引用。

 このほか、極端な民族主義・排外主義的主張に基づき活動するいわゆる右派系市民グループは、「外国人参政権反対」などと主張して各地で集会・デモ等を行い、その過程で反対勢力とのトラブルも見られた。

 また、この節には写真も添えられているがこの写真が焦点279号に掲載された「主権回復を目指す会」が昨年3月に行った京都での街宣の様子を撮影した写真だ。写真に添えられたキャプションまで焦点279号とまったく変わらない。このように具体的にはっきり掲載されたわけである。

 というわけでとうとう行動界隈は焦点などという警察庁警備局の広報誌に掲載されるだけの段階を過ぎ警察白書にデビューしたわけである。閣議了解もされる警察庁の正式な報告書に警戒対象として記された意味は大きい。今後行動界隈の活動に参加を考えている方はこのことを十分に考えたほうがいい。なお、警察白書における行動界隈の扱われ方についてはtwitter上でwochakai氏が述べており、これはTogetterにまとめられているので参照されたい。

以下、単なる個人的感想。
 行動界隈の所業が事例として警察白書に掲載されたりするところまでは行かなかった。どうせなので連中が引き起こした事件の一つや二つくらい検挙事例として掲載してくれれば面白かったのに(不謹慎だが)。連中の引き起こす事件など全国に並みいる右翼団体が引き起こす事件の中でもまだまだ突出した事件とは言えないんだろうなあ。

〔2011.11.26追記〕
 平成23年版警察白書が警察庁公式サイトにアップされました。こちらからご参照ください。

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■千葉県議会と埼玉県議会の出す「意見書」・「決議」がネトウヨ好みのものになりつつある

 各自治体の議会は「意見書」というものを出すことができる。これは地方自治法第99条に基づくもので、国会又は関係行政庁に提出することができる。議会として国に要望するときに使われるものだ。また「決議」というのもあってこれは議会としての意思を表明するものだ。基本的にはその自治体の事務に関して意思表明をするときに使われる。追悼などに使われることもある。決議のほうは特に法的根拠はない。また意見書・決議のどちらも法的拘束力はない。たいていの方は意見書や決議などほとんどご存じないであろうがどこの地方議会もこういうものを出している。で、その意見書や決議なのだが、埼玉県議会と千葉県議会が最近議決したものの中にネトウヨが好みそうなものが結構出てきている。詳しく見てみよう。

1.埼玉県議会
 埼玉県議会の決議・意見書を過去5年分(2006年から)見てみた。2006年6月定例会では北朝鮮がミサイルを発射した事件に対して「北朝鮮に対し、国際社会と連携した断固たる措置を求める意見書」「北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議」というものを出している。また9月定例会でも「北朝鮮に対しあらゆる制裁措置を講じ、毅然とした外交の展開を求める意見書」「北朝鮮による核実験実施に抗議し、すべての核兵器及び核計画の放棄を求める決議」を出しているがこれらの決議をウヨ的とするのはこれらをネトウヨ的とみなすのはやや無理がある。したがってネトウヨ的決議とはみなさない。その他の意見書・決議は警察官の増員を求める決議など特にネトウヨばかりが好みそうなものとはいえない(ちなみに埼玉県議会は繰り返し警察官の増員を求める意見書を提出している)。2006年度中の意見書・決議の総数は23件であった。うち北朝鮮関係の意見書等は4件である。2007年度はは12月定例会で「米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除に反対する意見書」を議決しているがこれもネトウヨ的とばかりは言えないだろう。同年度の意見書等の総数は23件である。2008年度は6月定例会で「米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除並びに経済制裁の一部解除に反対する意見書」を議決、2月定例会で「北朝鮮による日本人拉致問題の解決のため経済制裁の延長などを求める意見書」を議決している。これらも必ずしもネトウヨ的とは言い切れない。そのほかのものは「不動産登記法第14条第1項に基づく登記所備付地図の早期作成を求める意見書」(12月定例会)などという専門的な事項に踏み込んだ決議など県民生活にかかわるものが主で特にネトウヨ的な決議は見られない。同年の意見書・決議の総数は17件であった。
 2009年度に入るとボチボチネトウヨ的な意見書等が見え始める。12月定例会で「選択的夫婦別姓法案提出について慎重な対応を求める意見書」「永住外国人への地方参政権付与の法制化に慎重な対応を求める意見書」「改正国籍法に基づく国籍取得の厳格な審査を求める意見書」の3件を議決している。特に最後のものは「国籍の取得を目的とする偽装の認知が行われるおそれがあり、また、未婚の場合でも簡単に国籍を取得できることから、我が国の家族形態を崩壊させることにもつながりかねないものである」などと述べておりかなりネトウヨの主張に沿っている。翌2月定例会でも「人権救済(擁護)法案に反対し完全撤回を求める意見書」「国立戦没者追悼施設の設置に慎重な対応を求める意見書」「教育の政治的中立の確保を求める意見書」と3件を議決している。「教育の政治的中立の確保を求める意見書」では「日本教職員組合と、政府・与党との異常ともいえる密接な関係は、多くの国民が大変危惧しているところである」などと述べ、これまたネトウヨどもの主張にかなり近いものとなっている。同年の意見書等の総数は32件であった。2010年度は6月定例会で「子ども手当を見直し、保育所の整備・拡充や幼児教育無償化等、子育て家庭が真に必要とするサービスを実施すること」などと述べた「財政の健全化を求める意見書」を議決。翌9月定例会でも「米価下落の原因は、米価下落と財政支出拡大の持続的連鎖が生じる不適切な米戸別所得補償モデル事業にある」などと個別所得補償制度を批判した「米価下落への緊急対策を求める意見書」を議決している。また「尖閣諸島海域での中国漁船衝突事件における日本政府の対応に関する意見書」も同定例会で議決されている。12月定例会では幼保一元化に反対する「理念なき幼保一体化に関する意見書」を議決した。2月定例会になるとさらにエスカレートして「外国資本による土地売買等に関する法整備を求める意見書」「高校授業料の実質無償化の見直しを求める意見書」「教育基本法・学習指導要領の目標を達成するため、最も適した教科書の採択を求める決議」「教師を信頼し、教師はそれに応える、あたたかな教育環境を回復するための施策を求める決議」と4件も議決している。「高校授業料の実質無償化の見直しを求める意見書」は「「社会全体で子どもを育てる」という理念は、理念としては素晴らしいものであるが、現金給付をすることがすなわち「社会全体で子どもを育てる」ことになるわけではない。そもそも、高等学校教育とは義務ではなく、自らの意志で学びたい者が参加する自己決定の場である。憲法で定められているとおり、無償化されるのは義務教育だけである。高等学校教育まですべて租税で負担する必要はなく、高校授業料の実質無償化は高等学校教育の本来のあるべき姿ではない」などと2ちゃんねる「ニュース速報+」掲示板あたりで見られる意見を上品な表現に直しただけの決議となっている。さらにその前の9月定例会で幼児教育の無償化を要求する意見書を提出していることも注目に値する。これまた2ちゃんねるニュース速報+板あたりで幼稚園無償化は貴重な子育て支援、高校無償化はゆとり脳に無駄金使うだけなどという意見を目にしている私からすれば埼玉県議会のこの姿勢は完全に2ちゃんねるレベルといって差し支えないだろう。「教師を信頼し、教師はそれに応える、あたたかな教育環境を回復するための施策を求める決議」では「教育とは、人と人との営みである。思いをぶつけ、情熱を注ぐ営みである。ときに、「行きすぎ」もあるのかもしれない。が、機械的にそれを処分すればよい、というものでもない」などと述べ暗に体罰を容認するかのような決議となっている。2010年度中の意見書等の総数は39件であった。2009年頃から意見書等のネトウヨ度が上がっていることがわかる。2006年から2010年までの意見書等総数、そのうちのネトウヨ的意見書数をフィッシャーの正確確率検定で検定したところ2006年から2010年までで有意差が見られる(危険水準危険率1%以下)。

2.千葉県議会
 こちらも千葉県議会「会議の概要」からたどり各年の意見書等を見てみた。全般的に千葉県は埼玉ほどネトウヨ度は低いという印象である。
 2006年度は6月定例会で「北朝鮮のミサイル発射に抗議する決議」、9月定例会で「北朝鮮の核実験実施発表に抗議する決議」を出しているのみだ。埼玉県議会の項で述べたがこれらをネトウヨ的とみなすのは無理があるだろう。むしろリベラル的な決議とも解釈できる。核実験反対、核廃絶はリベラル派の主張でもあるからだ。同年度の意見書等の総数は28件、北朝鮮関係は2件であった。2007年度は12月定例会で「米国の「北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除」に反対する意見書」を議決しているが特にネトウヨ的とみなせるものではない。同年中の意見書等総数は37件であった。2008年度は6月定例会で「拉致問題の早期解決のため、北朝鮮に対する経済制裁の継続を求め、また、「核計画申告」の検証結果によってはテロ支援国家の指定解除の撤回を求める意見書」を議決しているが特にネトウヨ的といえるものでもないだろう。同年度の意見書等の総数は28件である。2009年度は5月臨時会で「北朝鮮の地下核実験及び弾道ミサイル発射を糾弾する意見書」を議決しているがこれは特にネトウヨ的とは言えない。次ぐ6月定例会で「日本放送協会(NHK)の偏向報道に関する調査と行政指導を求める意見書」というのを議決していて、こちらはネトウヨ的と言えるものである。9月定例会では「安心して教育が受けられる社会の実現を求める意見書」で「OECD諸国並みの公財政教育支出を確保すること」まで要望していたりする。もっとも幼児教育の無償化を要求する一方高校大学については低所得者向けの無償化を要望するにとどまっているからネトウヨ的といえなくもないがここではネトウヨ的とはみなさない。12月定例会では「非核三原則の法制化を求める意見書」を議決する一方で「定住外国人への地方参政権付与に反対する意見書」「高速道路原則無料化の撤回を求める意見書」「選択的夫婦別姓のための民法改正に反対する意見書」を議決している。千葉県議会のネトウヨ化もいよいよ始まったようである。もっともその後の2月定例会ではネトウヨ的と言えるほどの決議は見られない。同年中の意見書等の総数は60件、うちネトウヨ的決議は4件であった。2010年度は6月定例会で議決された「ばらまき政策を排し、財政の健全化を求める意見書」で子ども手当を非難している。9月定例会でも「地方財政に配慮した国の予算編成を求める意見書」で「子ども手当に代表されるばらまき政策をやめること」を要望している。12月定例会になると「仙谷由人官房長官の発言に抗議する決議」でいわゆる「暴力装置」発言にかみつき、そのほかにも「朝鮮高級学校を高校授業料無償化の対象とすることに反対する決議」「ロシア大統領の北方領土訪問に対し、毅然とした外交姿勢を求める意見書」「尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書」を議決する一方で「私立学校の果たしている役割の重要性を踏まえ、就学支援金制度を拡充、改善するよう強く要望する」とした「就学支援金制度の改善を求める意見書」を議決している。翌2月定例会では「教育基本法・学習指導要領の目標を達成するため、最も適した教科書の採択を求める決議」「民主党衆議院選挙マニフェストの早期の撤回・見直しを求める意見書」「尖閣諸島領海侵犯事件の不起訴処分に抗議し、万全の領域警備を求める意見書」を議決している。このほかにも「コメの戸別所得補償制度の見直しを求める意見書」を議決しているが内容を見ると「大幅な価格下落時に支払われる変動部分を全国一律から、地域ごとの再生産価格を補償するなどの柔軟な制度に改めること」などと要望しており一概に否定しているものではないのでこちらはネトウヨ的決議とはいえないだろう。同年の意見書等総数は52件、うちネトウヨ的決議は9件であった。千葉県議会についてもやはりネトウヨ化が進行していると言えよう。フィッシャーの正確確率検定を行ったところこの5年間で有意に差があるとの結果が見られた(危険度危険率1%以下)。

 なお、埼玉県議会と千葉県議会のネトウヨ度比較もしておこう。埼玉県議会は2009年度・2010年度に計71件の意見書等を議決、そのうちネトウヨ的なものが14件である。千葉県議会が同時期に議決した意見書等の総数は112件、うちネトウヨ的なものは13件である。これをフィッシャーの正確確率検定を行ったがp値は0.1404となり千葉県議会と埼玉県議会のネトウヨ度については有意差は見られないという結論になった。

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■行動界隈の犯罪の検挙件数・検挙人員はどのくらい?

 先だって公表された平成23年警察白書によれば右翼運動に伴う事件で117件、178人が検挙されている。いわゆる行動界隈の連中はこのうちのどの程度を占めるのか、試算してみた。なお、警察統計のお約束として事件が起きた年にかかわらず実際に検挙された年にカウントするのでここでもそれに合わせた。さあ、カウント。

1.まきやすとも中野区役所突入事件(リンクは「東村山市民新聞」の迷宮。)
 自らを告訴した中野区議会公明党議員団にお礼参り的に面談を強要しようと中野区役所に突撃、あえなく公務執行妨害で逮捕、送検された。処分保留で釈放されたものの送検されたので警察統計上は検挙件数1件、人員も1人である。

2.大阪駅前「水曜デモ」粉砕、眼鏡も粉砕事件
 2010年4月7日に主権回復を目指す会がJR大阪駅前で行った抗議活動中に参加者の1人が反対勢力に属するグループの眼鏡を奪った事件である。大阪府警警備部は窃盗容疑で逮捕送検したようだが大阪地検は器物損壊容疑で略式起訴した。これは警察統計上は検挙件数1件、検挙人員も1人。

3.京都朝鮮学校襲撃事件
 2009年12月4日、在特会・主権会の連中が「公園の不法占拠を排除するため」と称して京都朝鮮第一初級学校前で抗議活動を展開、その過程で京都朝鮮第一初級学校が学校前の公園に設置していた工作物を勝手に撤去した事件である。2010年8月10日、4名が逮捕、その後送検、さらに追加で在宅のまま7人が送検されている。検挙件数としては1件だが検挙人員は送検された人数、11人となる。

4.徳島県教組襲撃事件
 2010年4月14日、在特会メンバーらが徳島県教組を襲撃。襲撃した理由は日教組などがあしなが育英会などへ寄付するなどとして集めた募金が徳島県教組を通じて朝鮮学校へ渡ったためこれをネコババとして抗議のために襲撃したものである。この事件では7人が逮捕(うち1人は処分保留のまま送検後釈放された)、その他12人が書類送検されている。こちらも検挙件数としては1件となる。先の朝鮮学校襲撃事件に参加したメンバーも何人か含まれるが検挙人員はあくまで事件ごとにそれぞれカウントするので検挙人員は19人となる。

5.京都朝鮮総連本部襲撃事件
 2010年3月9日、チーム関西のメンバーが京都朝鮮総連を襲撃した事件である。襲撃した理由は朝鮮総連の施設を借りられなかったことに激高したからである。13人が書類送検、起訴猶予処分となった。これまたおなじみのメンバーが検挙されているのだが検挙人員は事件ごとにそれぞれカウントするので容赦なく13人とカウントされることになる。重複割引などない。検挙件数は1件である。

 というわけで駆け足で見てきたが、行動界隈の連中が引き起こした事件の検挙件数は5件、検挙人員は45人となった。右翼の引き起こした事件の検挙件数の4.34%が行動界隈によるもの、検挙人員にいたっては25.28%となる。ずいぶん検挙されたものである。団体別内訳は次のとおり。
政経調査会 1名・1件
チーム関西 44名・4件
 チーム関西についてはどいつがどの団体に属するのか仕分けするのも面倒なのでそのままチーム関西として取りまとめた。気が向いたらそのうち仕分けるかもしれない。圧倒的なチーム関西の検挙人員数だ。

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■「自民党の中長期政策体系」で切り捨てられる(かもしれない)人たち

 自民党国家戦略本部が7月20日に自民党の中長期政策体系を取りまとめた(どういうわけかコピー&ペーストができない)。これによれば思いっきり切り捨てられる(かもしれない)人々がいる。以下2つのケースについて述べる。

切り捨てられる人々1.ネトウヨ
 自民党中長期政策体系【外交・安全保障】によれば韓国に関して「韓国は、安全保障上厳しい情勢にある東アジアにおいて、民主主義、自由、法の統治等の様々な価値を共有し、我が国から最も近いところに位置する、我が国国民が最も親近感を感ずる国である」としている。ともかくも自民党はネトウヨどもの嫌韓には同調しないと言うことが明らかになった。嫌韓を主張してきた連中は見事に切り捨てられたと言っても差し支えなかろう。さんざんフジテレビなどを韓国に媚を売っているなどと批判してきた連中はどうするのだろうか。自民党本部にも抗議デモに行くのだろうか。嗚呼、合掌。

切り捨てられる(かもしれない)人々2.老人
 自民党中長期政策体系【社会保障・財政・雇用】によれば今後の社会保障は自助・共助を基本とし、政府や自治体による手当はそれらを補うものと位置づけるとしている。さらに現物給付中心の社会保障とするとしている。しかし現状は次のようであり、自民党の政策と現状は著しく乖離している。

老人の生活の支えは年金を中心とした公的社会保障が前面に出ている
 厚生労働省「平成21年国民生活基礎調査」によれば老人世帯の79.49%までが総所得に占める公的年金の割合が60%を超えている。完全に公的年金が単なる自助の補完を超えて老後の支えの前面に出ていることが見て取れる。また、医療については自費診療などが極めて少数なのは改めて論ずるまでもなかろう。それでも一応平成20年患者調査の数値を引用しておくと、75歳以上の入院患者のうち93.3%が自費診療を一切使用しておらず介護保険か医療保険を使用して入院している。外来だともっと自費の割合は減る。75歳以上の外来患者のうち一切自費診療を受けず介護保険なり医療保険なり公費負担医療によって外来診療を受けるのは98.53%である。この二つから言えることはつまり老後の生活については公的社会保障制度が前面に出ているということである。

現在の社会保障は現物給付と現金給付の二本柱となっている
 国立社会保障・人口問題研究所の「平成20年度社会保障給付費」第8表によれば同年中の社会保障給付費の58.59%が現金給付となっている。この現金給付の大部分を占めるのが年金給付で、社会保障給付費の51.93%を占めている。つまり現状は現物と現金とりわけ年金給付の二つが社会保障の大きな柱となっており、到底現物給付が中心とは言えないのだ。

 以上二点、つまり1)社会保障制度は老人の生活を前面で支えている、2)社会保障制度の現況は現金給付と現物給付の二本柱という現状は自民党が中長期政策で掲げる「自助中心、政府の公助は補完的な役割」「現物給付中心」というのと大幅に乖離しているのである。これを自民党の掲げるような形にするとしたら老人の社会保障は大幅な削減しかない。もっともこの国の財政が危機的な状況にあるので豊かな老人にはある程度の我慢をお願いしなければならないのではあるが、到底その程度では自助中心とはいえない。現物給付にしても同じで、現金給付の大部分が年金給付で占められている以上、年金の大幅削減しか現物給付中心にする道はない(もっとも現物給付の大幅増という道もあるにはあるが自助中心を唱える以上この道は採らないであろう)。すなわち大幅な老人切り捨てとなる。皆さんは本当にそれでいいのだろうか?
 えっ、老人の現状はすでに自助中心、現物中心だって?だったら子育て世帯の手当依存率をもっと高くしても「自助中心」、「現物中心」と言えるであろう。それとも老人は社会で面倒見るのが当然、子は家庭で面倒見るのが当然、それが歴史的経緯だなどというのであろうか?しかし老人にしてもかつては年金制度など存在せず家庭で面倒見るのが当然の時代もあったのだ。老人を特別扱いするのは単なるイデオロギーでしかない。

まとめ
 「自助中心」を掲げた自民党の社会保障に関する中長期政策体系は現状の老人並みに子育て世帯や障碍者への福祉を充実させるというものではない以上、自助中心を錦の御旗にした老人福祉の大幅切り捨てあるいは自助中心を老人に限って例外として優遇するかのどちらかとしか解釈のしようがない。どちらにしても選びたくない道なのは確かだ。

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■都道府県ごとの携帯フィルタリング使用率と非行率との相関を計算してみた

 警察庁が去る8月26日に児童が使用する携帯電話に係る利用環境実態調査結果についてという資料を公表した。この調査は保護者にこどもが使う携帯電話にフィルタリングをかけているかなどといったことをアンケートしたものである。で、この資料には都道府県ごとのフィルタリング利用率が掲載されている。とくれば都道府県ごとのフィルタリング使用率と刑法犯検挙人員率(非行率)との相関係数を計算したくなるというもの。早速計算してみた。なお、そもそも携帯を使用していない者の割合も考慮に入れるために携帯不使用者数(こどもが携帯を使用していないと答えた回答者数。実際には携帯を使用していると答えた者の数を調査対象者総数から除した)とフィルタリング利用者数(先に示した資料にあるフィルタリング使用率と携帯使用者数から算出した)を合わせた数が回答者総数に占める割合を「フィルタリング率」とした。算出に用いた数値は以下の表に示した。
都道府県別フィルタリング使用率と非行率
都道府県中学生高校生
回答総数携帯所持者所持者中フィルタリング率フィルタリング率非行率回答総数携帯所持者所持者中フィルタリング率フィルタリング率非行率
北海道37219866.282.015.518718234.636.357.4
青森58213167.992.771334833161.363.198.1
岩手356876992.423.816116054.454.684.8
秋田66722574.291.37.964763264.265.038.2
山形15112976693.323.696794459.760.668.9
福島65727063.384.929.436035960.260.3111.2
東京24117777.483.47.2777356.258.4810.8
茨城40619160.781.517.219919740.140.710.2
栃木118049273.488.918.11122109259.360.399.3
群馬29412266.486.0614.821321141.742.2512.6
埼玉1431047481.0910.2626137.738.712.8
千葉73849967.978.312.228828440.541.3310.2
神奈川35120576.686.3311.422721871.172.2512.2
新潟3266755.290.798.218317737.339.368.6
山梨24714669.982.2112.91089544.250.926.8
長野43010669.892.56813813658.859.47.2
静岡36619065.381.99626926238.940.498.5
富山2307365.889.158.11561546161.56.8
石川3659176.994.248.335734776.477.0614.1
福井64219565.689.557.126825562.464.227
岐阜120742862.486.677.741139455.657.447
愛知85537366.585.3911.527226147.149.248.7
三重95864377.384.767.632932540.341.038.8
滋賀42817160.884.3411.721321160.761.079.5
京都161588172.885.1618.948547045.346.9912
大阪58040860.372.0716.425725735.435.49.2
兵庫1356668.284.4516.621020655.856.6413.1
奈良66342963.976.6411.818318034.435.488.7
和歌山73540665.881.1111.736936230.932.2110.7
鳥取83220261.990.756.668066142.243.828
島根49716256.885.924.638237561.962.67
岡山57122963.385.2815.62962894647.2810.2
広島83431467.287.6520.51531485051.6311.3
山口96440265.785.713.191587645.948.2110.6
徳島52130267.581.169.827026536.637.7710.9
香川115446462.384.8420.94774665354.089
愛媛110338763.387.1212.596592947.849.756.4
高知61030064.782.6420.849145951.955.0317.8
福岡34017170.885.3117.418015551.658.3215
佐賀61516164.690.731039337154.456.9512.1
長崎29210164.487.696.418518265.465.967.5
熊本40211377.993.7910.62462365354.9111
大分6981836590.827.869661360.465.126.8
宮崎38511769.290.648.83643504244.238.3
鹿児島1524870.890.785.718718262.163.116.2
沖縄2189772.287.6316.816114156.762.085.6
凡例
 回答総数、携帯所持者、所持者中フィルタリング率については警察庁「児童が使用する携帯電話に係る利用環境実態調査結果について」、非行率については警察庁「平成22年中における少年補導及び保護の概要」表43によった。

 で、計算結果は中学生については相関係数-0.34(マイナスとはこの場合フィルタリング利用率が上がるほど非行率が下がったことを示す)と弱い相関が見られた。また無相関検定の結果は危険率5%で有意であった(危険率0.0198)。この計算結果のRコンソールを以下に示す。
> b

Pearson's product-moment correlation

data: a[, 5] and a[, 6]
t = -2.4183, df = 44, p-value = 0.0198
alternative hypothesis: true correlation is not equal to 0
95 percent confidence interval:
-0.5755874 -0.0579902
sample estimates:
cor
-0.3425221
 中学生については一応相関が見られたもののいまいち強い相関とはいえないようだ。次に高校生であるが、高校生については相関係数が-0.04とほとんどゼロに近い数値、無相関検定の結果は危険率が0.767となり有意な相関ではないという結果となった。こちらもRコンソールを示しておく。
> c

Pearson's product-moment correlation

data: a[, 10] and a[, 11]
t = -0.2982, df = 44, p-value = 0.767
alternative hypothesis: true correlation is not equal to 0
95 percent confidence interval:
-0.3308884 0.2486355
sample estimates:
cor
-0.04490358
 なお、念のために警察庁資料にある携帯使用者中のフィルタリング使用率と非行率との相関も計算した。結果中学生は相関係数-0.01以下、危険率は99%を超えていた。高校生は相関係数が-0.05、危険率が0.74であった。それぞれのRコンソールを示しておく。
中学生
> cor.test(a[,4],a[,6])

Pearson's product-moment correlation

data: a[, 4] and a[, 6]
t = -0.0034, df = 44, p-value = 0.9973
alternative hypothesis: true correlation is not equal to 0
95 percent confidence interval:
-0.2907706 0.2898253
sample estimates:
cor
-0.0005161676

高校生
> cor.test(a[,9],a[,11])

Pearson's product-moment correlation

data: a[, 9] and a[, 11]
t = -0.3339, df = 44, p-value = 0.74
alternative hypothesis: true correlation is not equal to 0
95 percent confidence interval:
-0.3356775 0.2435743
sample estimates:
cor
-0.05027894

 ものの見事にフィルタリング使用率と非行率とに相関関係は見られないという結果になった。さらに念には念を入れて福祉犯被害率との相関も調べた。ただし福祉犯被害率は学職別の統計がなかったので総計の数値を使用した。中学生のフィルタリング使用率と福祉犯被害率の相関係数は0.24…ということはフィルタリング使用率が高いほど福祉犯罪の被害に遭う可能性が高いという結果になってしまった。もっとも危険率は10%を超えているので有意な数値とはいえないのだが。Rコンソールは以下のとおり。
> cor.test(a[,4],a[,12])

Pearson's product-moment correlation

data: a[, 4] and a[, 12]
t = 1.6518, df = 44, p-value = 0.1057
alternative hypothesis: true correlation is not equal to 0
95 percent confidence interval:
-0.05233472 0.49706530
sample estimates:
cor
0.2416344

 さらに高校生のフィルタリング使用率との相関係数も計算すると0.01以下、ほとんど相関など見られないという結果になる。こちらの危険率は0.9797とこれまた有意な結果とは言えないという結果である。Rコンソールを以下に示す。
> cor.test(a[,10],a[,12])

Pearson's product-moment correlation

data: a[, 10] and a[, 12]
t = 0.0257, df = 44, p-value = 0.9797
alternative hypothesis: true correlation is not equal to 0
95 percent confidence interval:
-0.2867529 0.2938353
sample estimates:
cor
0.00386707

 と、警察統計上の非行率や福祉犯被害率とフィルタリング利用率とは数学的には相関関係は見られないという結果になった。といってももしかしたら他の要因が関係していてその要因を取り除けばフィルタリングと非行率などに相関が見られる可能性はあるのだが。警察の取り締まり方針やらその他の要因やらが関与している可能性もあったりするからフィルタリングを利用すれば警察のお世話になる確率が減るというような単純なことは言えないというのが結論である。他の調査がフィルタリングの使用を推奨する可能性はあるにせよ警察統計はフィルタリングを推奨する材料には使えないという考えてみれば当然の結果に落ち着いた。

テーマ:少年犯罪 - ジャンル:政治・経済

■福祉犯被害率と携帯フィルタリング利用率との相関も調べてみた

 前回の記事では都道府県ごとの携帯フィルタリング利用率と非行率に相関関係があるか計算した。最後のほうで少しだけ触れた福祉犯罪被害率と携帯フィルタリング利用率との相関関係について今回の記事では計算してみた。ただし警察庁の「児童が使用する携帯電話に係る利用環境実態調査結果について」がフィルタリング利用率を中学生・高校生と分けて示しているのに対し福祉犯罪被害者数を示した「平成22年中における少年補導及び保護の概要」が都道府県ごと、法令ごとの数値のみで年齢・学職別の統計がなされていないのでやや面倒な手順を踏んで計算してある。まず「児童が使用する携帯電話に係る利用環境実態調査」の都道府県ごとの携帯利用者数及び総回答数から携帯利用率を算出しこれを学校基本調査による中学生、高校生それぞれの数(中等教育学校の生徒数を含み、高等学校通信制課程の生徒数を含まない。これは「平成22年中における少年補導及び保護の概要」と同じ扱いである)に乗じて携帯利用者数を算出した。またこうして算出した携帯利用者数に「児童が使用する携帯電話に係る利用環境実態調査」によるフィルタリング利用率を乗じてフィルタリング利用者数を算出した(こちらも中学生、高校生それぞれの数を算出した)。また、「児童が使用する携帯電話に係る利用環境実態調査」による携帯非利用者数、総回答数、及びフィルタリング利用率のデータから総回答数に占める携帯非利用者数とフィルタリング利用者数の割合を算出し(これをフィルタリング率とする。以下同じ。)、これを中学生、高校生それぞれの数に乗じてフィルタリング数を算出した。こうして算出した中学生・高校生それぞれの数を合算して都道府県ごとの中学生・高校生を合わせたフィルタリング利用率とフィルタリング率を算出した。算出結果は以下のとおりである。なお、以下の表には福祉犯罪被害率も示した。福祉犯罪被害率は「平成22年中における少年補導及び保護の概要」による都道府県ごとの福祉犯罪被害者数及び平成22年国勢調査の抽出速報集計結果による10代の人口を基に算出してある。
 なお、フィルタリング利用率とフィルタリング率は中高生のみを対象とした数値であるのに対し福祉犯被害率は学校に通っていない10代もあわせたデータであることに注意願いたい。

都道府県フィルタリング利用率フィルタリング率福祉犯被害率
(人口10万対)
北海道46.45359.28855.731
青森65.10377.90533.435
岩手57.47773.22744.057
秋田67.86578.02371.349
山形61.94776.74921.215
福島61.23072.67971.225
茨城67.45071.30160.870
栃木47.09061.28785.456
群馬64.90575.27963.475
埼玉49.85365.38555.531
千葉54.39961.00270.979
東京51.93059.73435.816
神奈川75.10979.88478.258
新潟41.49965.17739.721
富山58.44267.04839.871
石川61.74476.23452.398
福井48.90161.49752.891
山梨62.73775.03616.568
長野78.24285.84726.716
岐阜65.58677.39926.277
静岡59.22672.37455.838
愛知54.98268.38459.552
三重56.04663.49063.978
滋賀61.13073.21134.600
京都56.12766.073120.668
大阪46.26954.62071.152
兵庫60.93971.34046.982
奈良47.01156.88321.017
和歌山43.96156.82541.756
鳥取47.03767.00028.463
島根61.49574.26542.460
岡山51.95066.62666.222
広島56.27070.30783.674
山口53.59167.59174.046
徳島48.67959.73181.879
香川56.70169.93243.796
愛媛53.39568.772121.142
高知58.64768.71676.220
福岡64.10572.27367.838
佐賀59.16073.98829.817
長崎65.94776.69239.677
熊本60.50174.64481.315
大分67.76877.86562.554
宮崎49.83167.49136.517
鹿児島65.46476.64568.223
沖縄67.30875.056256.261
 さて、この数値を基に相関係数を計算してみた。フィルタリング利用率との相関係数は0.09、ほとんど相関がないという結果になった。無相関検定の結果危険率は0.5327となり有意な相関ではないという結果になった。Rコンソールを以下に示す。

> cor.test(a[,2],a[,4])

     Pearson's product-moment correlation

data: a[, 2] and a[, 4]
t = 0.6289, df = 44, p-value = 0.5327
alternative hypothesis: true correlation is not equal to 0
95 percent confidence interval:
-0.2014328 0.3744235
sample estimates:
    cor
0.09438447

 次にフィルタリング率との相関だが、相関係数-0.01でこちらもほとんど相関関係はなく、無相関検定の結果も危険率0.9194となりこれまた有意な相関ではないという結果になった。Rコンソールは以下のとおり。

> cor.test(a[,3],a[,4])

     Pearson's product-moment correlation

data: a[, 3] and a[, 4]
t = -0.1018, df = 44, p-value = 0.9194
alternative hypothesis: true correlation is not equal to 0
95 percent confidence interval:
-0.3042897 0.2761812
sample estimates:
    cor
-0.01534734

 結局福祉犯被害率すらフィルタリング利用率との相関は見られなかった。福祉犯に関する警察統計をフィルタリングを推奨する根拠とするのは無理だということである。

テーマ:少年犯罪 - ジャンル:政治・経済

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