■2010年07月
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■私立に助成するのは日本だけではない、ついでに日本は公立高校が少なすぎる

2ちゃんねるをふと見ると、次のような書き込みを時折見かける。

877 :名無しさん@十周年:2010/06/26(土) 15:29:36 ID:eMfDzR7I0

外国じゃあ、義務教育も私立への援助金は「1円」もないよ。1円もしないよ。


公立は無償で、金を払いたくなければ、公立へ行くのが当たり前。私立の金は全額負担が当然だよ。日本も改正してほしいわ。

この書き込みの出所は
【教育】「授業料を滞納したら督促状が来た。私立高校も無償化にしてほしい」 高校生らが3千人が銀座でパレード★6
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1277352943/


本当かなとOECDの「Education at a Glance 2009」(図表でみる教育)を見ていたら参考になりそうな統計表を見つけた。このファイルに収録されている「Table C1.5. Students in primary and secondary education by type of institution or mode of study (2007)」と言う表がそれだ。

この表は教育段階別にどのような設置形態の学校にどのくらいの割合の生徒が在学しているかを示している。「Government-dependent private」は運営資金の半分以上を政府に依存するかあるいは教員の給与を政府が支払っているかのどちらかに該当する学校のことだ。明石書店の訳書では「公営私立」と訳されている。「Independent private」とは運営資金の半分以上を政府に依存せずに賄っていて、かつ教員の給与を政府に依存していない学校だ。明石書店の訳書では「独立私立」と訳されている。で、この表を見ると公営私立に在学する生徒の割合もそれなりにいることがわかる。なんだ、外国でも私立に公金を支出しているんじゃないか。

さらに興味深いのは、日本の公立高校に在学する高校生の少なさだ。OECD加盟国中26位となっている。しかも、独立私立に在学する生徒の割合はOECD加盟国の中で一番多い。他の公立学校に在学する生徒の割合が低いほかの国では公営私立に在学する生徒の割合が高く、独立私立に在学する生徒の割合は低いのだ。
日本の後期中等教育が独立私立頼みの理由として日本の進学率は高いのだから、他国では高校に行かないような生徒が日本では私立高校に進むだけと思われるかもしれない。先ほどのファイルの「Table C1.3. Transition characteristics from age 15-20, by level of education (2007)」表をご覧いただきたい。この表には15歳から20歳までの者のうちどれくらいの割合のものが中等教育に在学しているかが示してある。この表を見る限りは進学率の高さだけで日本の後期中等教育の独立私立依存を説明するのは難しい。

生徒や保護者のニーズを挙げる向きもあろうが、そうともいえない。東京都の進路希望調査では、2008年度の卒業予定者で76%の生徒が都立を志願している。神奈川県に至っては国公立希望が83.2%にのぼる。これがいざ入学段階になると都内では61.1%しか公立に進学できていない。
ちなみに、東京都では公私協定があり、公立59.6対私立40.4と高校入学者を振り分けている。これがニーズに反して公立高校の定員を絞る原因となっている(私立高校側はこの割合でも不満なようで、「私学の受入分担は固定した数字とすること」なんかを主張している。さすがに退けられているが、こんな提案を受け入れたら最悪公立高校の割合が0%になりかねない。)。このような協定は他の府県にもある。
確かに、定時制や通信制なら定員割れしているところはあるが、これらの課程は全日制とは性質が違う。通信制はなおさらだ。だから、定時制や通信制を選ばなかったからと言って公立へのニーズがないと即断するのは誤りだ。それに、定時制や通信制に進む生徒が増えれば公私協定の下では全日制を減らすだけだ。実際に埼玉県が定時制志望の高まりを受けて全日制を減らし定時制を増やす方針を打ち出している。全日制志望なのに定時制に回される生徒が増えるだけで公私比率は変わらない。いったいそんなことに何の意味があるのだろうか。全日制はダメだが定時制・通信制なら入学を許可すると言うのもおかしい。高校に入学を許可する程度の成績ならば全日制か定時制か通信制かくらいは選べるようにするのが当然ではないだろうか。

私自身は公立高校の割合をもっと増やすべきだと考える。
確かに私立高校は特色ある教育活動を行ってはいるが、15歳ぐらいで選ぶ能力があるのか、そして特色ある(「偏った」と言い換えてもよいかもしれない)教育を受けるのがいいのかと言う疑問が残る。進学対策が充実している程度ならまだいいかもしれないが、特定の宗教団体の理念に基づく教育を受けることはいいことなのだろうか。こういったことを考えると無難な公立の教育も捨てたものじゃないと思うのだ。
今年に入ってから私立に通う生徒に対する支援策が充実してきたが、そんなことをするよりは諸外国並みに公立校の割合を増やすべきではないだろうか。
学校基本調査によれば2009年の高校在学者の総数よりも1994年の公立高校の在学者総数の方が多いのだから施設面では可能である。
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■●○私、創価学会 脱会しました。○●「Part33」 過去ログ

2ch創価・公明板の「●○私、創価学会 脱会しました。○●「Part33」 」スレのログである。
元スレ(破損)は
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/koumei/1278255264/
みみずん検索のログは
http://mimizun.com/log/2ch/koumei/1278255264/

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■定時制は不本意入学が多いのだから全日制に改組すればと思ったらそれほど単純でもなかった

定時制高校は不本意入学が多い。神奈川県の「平成20年度公立中学校卒業予定者の進路希望調査」によると2008年10月1日現在で全日制高校を志願していた者が60,224人、定時制高校を志願していた者は927人、通信制高校を志願していた者は951人となっている。実際の進路を見てみよう。「平成20年度公立中学校等卒業者の進路状況調査」によれば、2009年3月に神奈川県の公立中学校を卒業したもののうち全日制高校への進学者が57,868人、定時制高校への進学者が2,539人、通信制高校への進学者が2,575人となっている。明らかに全日制進学志望者が定時制・通信制に流れている。
東京都では「平成21年度都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査」によれば定時制志望は2,769人、通信制志望は221人だ。一方、全日制志望は67,759人である。2009年3月に区市町村立中学校を卒業した者の実際の進路は、全日制高校進学者が65,382人、定時制高校進学者が3,687人、通信制高校進学者が879人である。東京都でも神奈川ほどではないにしろ全日制志望者が定時制・通信制に不本意入学していることが見て取れる。

これほど不本意入学が多いのだから、定時制を全日制に改組すればと単純に思う。かなりの数の者が一旦は全日制を志望したのだから定時制でないと通えない者ばかりでもなさそうだ。

実際、コスト面でも定時制高校が安上がりと言うわけでもない。文部科学省「平成21年度地方教育費調査」(速報)によれば一人当たりの運営費は全国平均で公立全日制に1,157,860円、公立定時制に1,663,219円がかかっている。これによれば定時制はかなりの高コスト体質だ。
ただ、これは定員割れしているから高コストなだけのようだ。埼玉県立浦和高校の運営経費計算書を見ると、定時制課程の一人当たり運営経費は2,306,596円。でも4クラスで55人しか在籍していないのに人員配置は4クラス分ならそりゃあ高くもなるだろう。4クラス分160人が在籍していると仮定して定時制の支出を160で割ってみたら792,892円となる。ちなみに同校全日制の一人当たり運営経費は643,700円なのでそれほど高コストと言うわけでもない。なお、埼玉県立桶川西高校の運営経費計算書によれば埼玉県内の全日制高校の一人当たり運営経費平均は707,001円となっていて、「地方教育費調査」とはずいぶん差があり、単純に地方教育費調査と比較できない点には注意が必要だ。
結局、全日制にしても定時制にしても効率よく定員が埋まればコスト面に差はあまりないということになる。

だったらなおさら定時制を全日制に置き換えるべきだと思ったのだが、そうともいえないのだ。
定時制はご存知の通り何らかの事情によって昼間に通えない者が対象と言うのが基本だ。昼間は働いている者もいる。職場や自宅の近隣に無ければ夜間の通学は困難だ。である以上、定員は度外視して地理的条件を考慮して配置しないと本来の機能は果たせないことになる。つまり、全日制に枠を増やしました、不本意入学者は全日制にどうぞ、定時制はその分廃止しても大丈夫とはならないのだ。このあたり、島しょ部の高校と事情は同じだ。島の高校が定員割れだからと言って隣の島の高校と統合してしまったら機能は果たせない。これと同じことだ。
かといって定時制はそのまま、全日制の枠だけ増やしますとなったら財政支出は増加するうえに公私比率をゆがめ、民業圧迫になる。ここでも私立校の多さが障害となっているのだ。

■公明党の地方議員数

こんなときになんだが、公明党は地方議員数が3000人超えだとうたっている。この数値の裏を取ってみたら正確な数値だった。
総務省自治行政局選挙部が「地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調等」と言う資料を出している。この資料によれば2009年12月31日現在、公明党の地方議員数は3008人。ちゃんと3000人は超えていた。
ただし、共産党の方が少しばかり地方議員数は多いので、地方議員数最多ではない。2ちゃんねるで共産党よりも地方議員数が多いと書いていた者がいたので一応付記しておく。
もう一点。この数値は立候補時点で届け出た所属党派によるものである。無所属で立候補して当選後に政党に所属したような場合も無所属とカウントされることになる。

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■学歴と有業率のビミョーな関係

総務省統計局「就業構造基本調査」をもとに学歴別の有業率をまとめてみた。なお、この記事で使うものは特記しない限り全て2007年調査のものである。

1.男性
男性の学歴・年齢別有業率は以下の図の通り。

男性の学歴別有業率

20代の有業率が他の年代のそれよりも若干低いのと、年齢にかかわらず中卒者の有業率がかなり低いのが目立つ。時折「金が無いなら中卒で働け」という意見を耳にするが、中卒だと職にありつきにくいことがわかる。確かに十数ポイントの差ではあるのだが、他の学歴とは大きな差があるのは事実だ。

2.女性
女性の学歴・年齢別有業率は以下の図の通り。

女性の学歴別有業率

こちらは学歴が上がるほど有業率が上がるという単純な関係が成り立たない。高校・専門学校卒と学歴が上がるとともに増えてきた有業率が短大・高専・大学卒になると有業率が低くなっている。さすがに大学院となると再び有業率が増えるが。これは女性の場合、「専業主婦」という選択肢を選ぶ方も多いためだろうと推測される。そこで、専業主婦(無業者のうち「家事をしている者」のこと)と有業者をあわせた人口がどのくらいの割合になるのかも調べてみた。その結果が次の表である。

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こうしてみると中卒者を除けばほとんど差が付かない数値となった。多くても2ポイントの差である。特に短大卒の女性の専業主婦志向の強さと専門学校卒の女性の仕事志向の強さが見て取れる。ともかく、女性の場合学歴による差は仕事をするか専業主婦になるかに現れるということである。中卒者を除いては。

特記・中卒者は不利だ
ここまで学歴と有業率の関係を見てきたが、中卒者は他の学歴に比べて段違いに不利だということがわかる。男性では他の学歴の者よりも段違いに有業率が少なくなっており、女性では職に就いているわけでもなく専業主婦というわけでもない者の割合がやはり段違いに高い。確かに十数ポイントの差ではあるが。
時折高校無償化をめぐる議論などで「金が無いなら中卒で働け」という意見が散見されるが、中卒者の不利な状況を統計としてみればそのような意見には賛成できない。道中隆氏の調査によれば生活保護受給世帯の世帯主の72.56%までが中卒・高校中退の学歴(就業構造基本調査ではどちらも中卒カテゴリーに入る)であるとのことである。老人世帯を除いても生活保護受給世帯の世帯主の70.27%が中卒・高校中退である。このことを考え合わせれば、中卒で社会に出るというのは著しくリスキーなことなのである。

なお、この記事で示したグラフの数値データは参考資料(Excel形式はこちら)にまとめてある。参考資料の元になった数値は就業構造基本調査の統計表をご覧いただきたい。

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■「都議選に向けて創価は組織的に住民票を移動させている」と息巻く創価アンチの皆さんへ part3(ついでに衆院選に向けて東京12区に住民票を移動させていると息巻く創価アンチの方々へ)

今回は創価学会による都議選住民票移動疑惑検証シリーズの第3弾。
今回は豪華版で都内全ての区市町村の住民票移動状況を選挙区別にまとめた。
数値はこちら
数字は挙げたから各自粛々と分析するように。私は分析する気はありません。なお、公明党候補が立候補した選挙区の立候補した年の数値は背景を色付けして斜体に変えてある。
きっと自分の自分のブログのコメント欄で「創価学会は都議選に向けて組織的に住民票を移動させている」と大見得を切ったクロダイはこのデータを基に創価学会が組織的に住民票移動させていることを立証してくれることでしょう。なんか公明党候補が立ったのに都議選執行年の住民票移動数が減っている選挙区もあるんですが、そんなことも乗り越えて立証してくれることだろう。
そういえば、衆院選に向けて創価信者が東京12区に大挙して住民票を動かしていると示唆なさっていたジャーナリストもいましたが、彼もきっと住民票移動を立証してくれることでしょう。ちなみに2008年の北区、足立区の転入件数は前年よりも減っている。

しかし、数値まとめて「創価学会の住民票移動はデマだ」という結論を導き出す作業をなぜか創価アンチのはずの私以外に手がけている人がほとんどいないというのは面白い。おかげで創価信者の皆さんからは好評だったが、せめてリンクぐらいはちゃんと張ってね。なお、目に付いた例外はこちら。このブログは世田谷区の人口を調べて創価学会による住民票移動はデマだと結論付けている。

つーか、両陣営とも少しは手を動かすように。こんなのそんなに時間がかからずできろ作業なんだから。
〔2011.11.27〕
 Onsheetがサービス終了とのことなのでGoogleドキュメントにファイルを移転しました。

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■今回の参院選で「山梨の無効票が多すぎる」と息巻く皆さんへ

瀬戸弘幸氏が自身のブログでなんか妄想を書き散らしている。今回の参院選における山梨県の無効票は多すぎる、これは不正が行われたからだと。このほかにも山梨県の無効票の多さを疑う方は多い。ググると結構出てくる。

数値を出そう。総務省自治行政局選挙部のサイトに今回参院選の詳細な結果が載っている。そのなかに「都道府県別投票総数、有効投票数、無効投票数(選挙区)」という表があって、見てわかるとおり各都道府県別の無効票の数や投票総数に占める割合も載っている。
これによれば全国平均の無効投票率(選挙区)は3.08%、山梨県の無効投票率は3.33%だ。確かに全国平均よりは高いが、山梨県の無効得票率は全国15位だから、そんなにずば抜けて高いわけじゃない。奈良県など4.93%の無効投票率だ。これでどうして異常なほど多いだとか妄想を膨らませられるのだろうか。念のため当日有権者数に対する無効投票の割合も算出してみたが、全国平均1.78%に対して山梨県は2.13%で全国10位。こちらもそれほどずば抜けて高いわけじゃない。確かに高い方ではあるが。

というわけで山梨の無効票が多いというのはガセネタである。それにしてもなんでみんなこういう数字を調べないかなあ。

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ブログ名変えた(2011.4.24)。落ち着かないなあ。

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