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■公明党仕事しろ

先般、公明党を中心とした与党によっていわゆる「単純所持」処罰規定を含んだ児童ポルノ法の改定案が提出された。
この法案に対して懸念する声も多数あり、反対意見を表明するブログも多い。
また、この改定案を中心となってまとめたのが公明党ということもあり、反創価系のブログでもこの改定案に触れたものも多い。
というわけで(一応)反創価系ブログの末席を汚す我がブログでもちょっとだけこの改定案について考える資料を提供してみることとする。
さてさて、公明党がこの改定案を推す理由の一つに「児童ポルノ事件が急増しているため」というのがあるようだ。鰐淵洋子議員はそのような意見を示している。
ふんふん、近年増えてるには増えてる。でも、その前は?えっ、法がなかったから検挙もされてないって?
平成13年版「警察白書」より

なお、青少年保護育成条例違反の被害少年の数は、12年には2,084人と前年に比べて約半分となったが、これは、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童買春・児童ポルノ法」という。)の制定により、従来青少年保護育成条例違反として検挙挙していた児童買春等の福祉犯が、同法違反として検挙されるようになったことに関連している。



どうやらこれまでは青少年条例で検挙していた模様。朝日新聞の記事検索で調べると少女とのわいせつな行為をビデオ撮影して青少年条例で検挙したなんて事例が結構出て来る。(代表例として1994年12月14日付け朝日新聞夕刊11面「少女誘いホテルでビデオ撮影 県立高教諭ら逮捕 神奈川県警」)
ということは、青少年条例の検挙状況や被害児童数も見てみないとお話にならないわけだが、公明党の方々がこういう数字をWebにアップしてくれない。議員さんには政策秘書というのを公費で付けることができ、しかも我々下々の者と違って国立国会図書館の資料をほぼ自由に使えるからこういう数字はすぐに集められるはずなのだが。
少しはこういう地味な調査もしてほしいものなのだが。
愚痴っていてもしかたがないので、私が3つほどエントリーを使ってアップしてみる。
今回アップするのは1975年から今までの少年の福祉を害する青少年条例違反の検挙状況や被害児童数、また、結構関連性が高いと思う児童福祉法違反(淫行させる行為)の検挙状況及び被害児童数も。
これらの数字はすべて警察庁「犯罪統計書」を手にとって確認したものである。
…と言ってみたが、単なる統計マニアの自己満足という側面大変多し。

統計表(内部リンク)
1.少年の福祉を害する青少年条例違反の検挙状況及び被害児童数の年次推移
2.児童福祉法違反(淫行させる行為)の検挙状況及び被害児童数の年次推移
参考(外部リンク)
未成年の性犯罪被害者数
少年犯罪データベース 幼女レイプ被害者統計
未成年の性犯罪(強姦及び強制わいせつ)の被害者数を掲載。中学生以下については学識別の数も掲載されている。
年齢別人口
日本の長期統計系列第2章 人口・世帯(総務省統計局サイトへリンク)
「2- 2 年齢各歳・男女別人口(明治17年~平成12年)」(Excelシート)に2000年までの国勢調査による年齢別の人口を掲載。
平成17年国勢調査 第一次基本集計結果 報告書掲載表(政府統計の総合窓口e-statへのリンク)
2005年の国勢調査による年齢別人口を掲載。
推計人口(政府統計の総合窓口e-statへのリンク)
国勢調査年以外の年について総務省統計局が推計した各年の年齢別人口が参照可能。なお、国勢調査年についても国勢調査の結果(ただし千人単位)を収載している。
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テーマ:児童買春・児童ポルノ処罰法 - ジャンル:政治・経済

■1.少年の福祉を害する青少年条例違反の検挙状況及び被害児童数の年次推移

統計表は「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
なお、なんでこんなことやっているのかはこちらを参照されたし。
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■2.児童福祉法違反(淫行させる行為)の検挙状況及び被害児童数の年次推移

統計表は「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
なお、なんでこんなことやっているのかはこちらを参照されたし。
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■本当に児童ポルノ事件は増えているのか

今回の記事はいきなりまとめから入る。

1.「児童ポルノ事件が近年激増」と言っても、2004年の法改正によって処罰対象が広がったために新たに立件できるようになった事件の数が増加分のほとんどを占める。
2.ただ、2004年法改正以前から処罰対象であった事件の件数も増加はしている。
3.しかし、この増加も法改正によって警察が捜査に着手しやすくなったために増加したという側面はあるのではないか。
4.いずれにしても、児童買春○件、児童ポルノ○件だなんて大雑把な数字を見ているだけでは実状は見えてこない。

ここから本文

公明党の鰐淵さんが児童ポルノ事件が近年激増している、この激増を食い止めるためには法改正して規制強化をというような事を言っている。
しかし、なのだ。事件数の増加とやらは果たして実態の反映なのだろうかという疑問が湧いてきたのだ。

まず最初に思いついたのは、「児童買春事件は減少、児童ポルノ事件は増加」という事から単純に今まで児童買春でカウントしていた事案を児童ポルノでカウントするようにしたから児童ポルノ事件が増えたように見えているだけではないかと言うことだ。
2004年に児童ポルノの「単純製造」が処罰対象になったことで、いわゆる「援助交際」の際に撮影も行ったなんて事案では児童買春でカウントすることもできれば児童ポルノとしてカウントすることもできるではないか、児童ポルノとしてカウントすれば児童ポルノ激増一丁上がり…と思ったのだ。
ところが、犯罪統計細則第6条を見るとこういう場合は法定刑が重い罪で一件とすると定められている。児童買春が5年以下の懲役又は300万円以下の罰金、児童ポルノ単純製造は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金だから児童買春の方が法定刑は重い。従ってこの仮説はボツと言うことになる。
ただし、2004年法改正で児童買春よりも不特定多数への提供目的製造の方が微妙に法定刑が重くなったので「援助交際」の際に不特定多数への提供目的で撮影したような事案は児童買春ではなく児童ポルノとしてカウントするように変更したという事はありうる。

次に思いついたのは、2004年法改正で特定少数への提供、及びこの目的での製造、運搬、輸出入などが新たに処罰対象に加えられたために、これまで検挙できなかった個人的に譲渡したりする行為を検挙するようになったのではないかと言うものだ。
また、単純製造にしてもネットで知り合った児童に自分の裸を撮影させて送らせるという事案を新たに検挙するようになったという事が考えられる。
これはあくまでも仮説だから、証明するにはデータが必要だ。
ただ、警察庁が出しているたいていの資料には児童ポルノ何件という大雑把な括りでの数字しか載っていない。

ところが警察庁刑事局「犯罪統計書」では極めて詳細な分類がなされている。2000年のものこそ「児童買春・児童ポルノ法」という大雑把な括りの数字しか載っていないものの、2001年以降「児童ポルノ頒布」「児童ポルノ販売」「児童ポルノ貸与」…と非常に細かく分類されている。
2005年以降は特定少数への提供あるいは特定少数への提供目的製造などと不特定多数への提供や不特定多数への提供目的製造など、さらには単純製造まできちんと分類された数字が載っている(分類の詳細さはこの記事の「続きを読む」をクリックしていただいた所に載せた「統計表の注」をご覧いただければよくわかります。)。
というわけで「犯罪統計書」に載っている児童ポルノ事件の検挙件数を載せてみる。ただし、ここでの考察に差し障りのない範囲で項目をまとめてあるので、細かい数字が見たい方は警察庁サイトにて「平成○○年の犯罪」(これが犯罪統計書)というものの中にある「少年の福祉を害する犯罪の送致件数・人員及び被害者数」という表を参照されたい。

年次不特定多数提供目的製造(注1)不特定多数提供等(注2)特定少数提供目的製造特定少数提供等(注3)単純製造児童ポルノ事件計
2001年15137---152
2002年30159---189
2003年43171---214
2004年49128---177
2005年322181368139470
2006年122212796260616
2007年141802479270567
2008年122281761358676
2009年143891776439935
2010年12543461176241,342

(注については「続きを読む」をクリックしてご覧ください)

グラフにするともっとわかりやすい(2010.1.2グラフ追加)。
児童ポルノ検挙件数


これはもう一目瞭然。処罰範囲の拡大によってこれまで立件できなかった事案を立件するようになったために件数を押し上げているのである。
2004年法改正以前も処罰されていた不特定多数への提供目的の児童ポルノ事件も増えてはいるが、これはあくまでも「検挙件数」。処罰範囲が広がったことにより、捜査着手へのハードルが低くなったという要因は無視できない。
具体的に言えば特定少数への提供として着手したものの捜査過程で不特定多数への提供が判明したため不特定多数への提供として検挙して終結したという事例が考えられる。

以上、ざっと見てきたが、検挙件数、それも極めて大雑把な数字のみを見て事態は悪化したと言ってみても実態を反映していないと言うべきである。
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■警察統計の限界

ここまで、児童ポルノ関連の現象(の一部分)について警察統計の数値を示してきた。
ただ、警察統計はあくまでも警察活動の記録に過ぎないのであって、警察活動の対象にならなかった犯罪行為(一般に暗数といわれるものですね)については統計上の数値として計上されない。
ここに弱点があって、警察の方針や関係者の意識が統計上の数値に影響を与えることは免れない。以下、具体的に見る。

1.実際に児童ポルノ犯罪が行われても警察が認知しなければ警察統計上の数値として計上されない。警察が積極的に児童ポルノ犯罪を探し出す方針をとれば実際の数に関わらず警察統計上の数値が増えるということでもある。その逆に警察が消極的な態度しか示さなければ実勢に関わらず警察統計上の数値もまた減る。
また、関係者からの届け出というのもあまり期待できない。「援助交際」の際に撮影されたなんてケースでは児童当人に被害者という意識は無いだろうし、社会通念としてもこういう児童を被害者としては見ていない。
公明党の丸谷佳織議員の出会い系サイト規制法の審議過程での「本当に、普通の子供だとみずから言うような子供たちがこういう書き込みをしている現状を見ますと、果たして、みずからの意思でお金を稼ぐ方法としてネット上で売春をしている、あるいは買春の勧誘をする、この状況を、誘いに乗る大人あるいは同じ世代の買う方だけが悪いのかなという疑問が私には残ります。そういった意味において、児童の処罰ということもある程度仕方がないのではないかというような思いがするわけなんですけれども」〈平成15年5月13日衆院青少年問題に関する特別委員会〉との発言はこういう社会通念を代表するものであろう。日本ユニセフ協会が聞いたら多分仰天するだろうが(なお、全くの余談ながら私も仰天しました。おいおい、児童は被害者ではなかったのかよ、と)。

2.そして、児童ポルノ事案の場合、警察に認知されても被疑者を特定し、検察庁へ送致しなければ警察統計上の数値として計上されない。
こちらが警察の活動方針や警察力の影響を強く受けるのはもはや論を待たないだろう。

以上、ここまでの説明で警察統計における数値というのは警察の活動の影響を強く受け、実際の数値を必ずしも反映しないものであることはお分かりいただけると思う。
昭和35年版 犯罪白書 第一編/第一章/一/1 犯罪統計とその意義も参照されたし。

そこで実勢を知るためには世論調査のような手法でアンケート調査を行うのが一番確実になる。
代表的な犯罪については16歳以上の男女を対象に法務省法務総合研究所が犯罪被害実態調査というものを行っているが、児童ポルノ事犯におけるこういう調査は寡聞にして聞かない。
児童ポルノ事犯においてもこの種の調査の実施を強く望みたい。

なお、性被害については日本性教育協会が全国の中学生、高校生、専門学校生及び大学生を対象に1974年から行っている「青少年の性行動全国調査」の調査項目となっている。もっとも性被害が調査項目となったのは1993年調査からではあるが。
せっかくなのでこの調査の結果について軽く触れておこう。児童ポルノの存在が児童への性犯罪に影響を与えているという説もあるので。
全般的に見て中高生女子の性被害は1999年調査において1993年調査よりも増加したものの、2005年調査では1993年調査よりも減少している。ただし高校生女子の「性的誘惑」については1999年調査よりも減少はしているものの1993年調査よりは増えている。
また、中学生女子の「痴漢被害」「性的強要」は1993年調査から減少の一途をたどっている。
男子について見ると、中高生の「身体をじろじろ見られた」「痴漢被害」1993年調査から減少の一途、「露出行為被害」は1999年調査で増加したものの2005年調査では1993年調査よりも減少。
中高生男子の「言葉による性的からかい」「性的誘惑」「性的行為の強要」の被害率については2005年調査で1993年調査よりも高い値を示しているが1999年調査よりは減少となっている(下表参照)。
性被害経験の推移(%)
中学高校
93年99年05年93年99年05年
男子身体をじろじろ見られた8.17.24.07.86.44.1
言葉による性的からかい12.220.619.113.120.412.2
痴漢被害3.61.71.44.22.51.9
露出行為被害5.28.71.75.48.64.8
性的誘惑3.26.14.56.010.39.0
性的行為の強要1.21.51.31.11.71.2
女子身体をじろじろ見られた24.024.217.735.437.923.5
言葉による性的からかい22.326.218.134.636.320.4
痴漢被害16.614.39.127.630.416.3
露出行為被害11.915.89.724.828.721.5
性的誘惑8.38.67.58.424.816.7
性的行為の強要5.13.62.65.67.94.9

日本性教育協会編「『若者の性』白書 第6回 青少年の性行動全国調査報告」(小学館刊)123ページより引用(なお、引用元には大学生の数値も同じ表に表章されていたが、省略した)。

同書210ページには2005年調査の詳細な集計結果が掲載されている。
注目すべきは「誰からされたか」という集計結果だ。性的行為の強要に限って触れるが、一番多いのは「友人など」。
これは男女とも、中学生と高校生いずれも同じ結果である。知らない人からというのは少ない。
家族や親戚からの被害もまた少ない。教員からの被害は極めて少ない。ただし、高校生男子では多くなっている。

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ブログ名変えた(2011.4.24)。落ち着かないなあ。

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